Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
食・文化

客家文化と料理——台湾のもうひとつの食文化

台湾料理といえば小籠包や牛肉麺が有名ですが、客家(ハッカ)文化は台湾の食と文化を別の角度から照らします。客家料理の特徴・代表的な料理・客家エリアへのアクセスを紹介。

2026-04-20
客家台湾料理食文化文化料理

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(TWD)の金額を基準にしてください。

台湾の食文化を語るとき、たいていは小籠包・牛肉麺・夜市のB級グルメが中心になる。でも台湾の人口の約15〜20%を占めると言われる客家(ハッカ)系住民の料理は、同じ台湾でもかなり異なる味の体系を持っている。

「もうひとつの台湾料理」に触れると、この島の文化的な奥行きが少し変わって見えてくる。

客家とは誰か

客家は中国大陸の南部(主に広東省・福建省・江西省周辺)を起源とする漢族の一派で、歴史的に移住を繰り返してきた人々だ。「客家」という名前自体が「客の家」を意味し、どこへ行っても外来者として扱われてきた歴史を含んでいる。

台湾には清朝時代から客家系住民が移住しており、現在は桃園・新竹・苗栗・高雄(六堆地区)などに多く住む。客家語(ハッカ語)は台湾の公認言語の一つで、テレビ・ラジオの客家チャンネルも存在する。

客家料理の特徴

客家料理が一般的な台湾料理・福建(閩南)系料理と異なる点として、以下がよく挙げられる。

塩・発酵・乾燥の多用 客家の人々は山がちな土地で暮らすことが多く、保存食の文化が発達した。梅干・発酵豆腐(臭豆腐とは異なる客家豆腐乳)・乾燥野菜が多く使われる。

油と豚肉の濃厚さ 客家料理は「油・鹹(塩辛い)・香(香ばしい)」が特徴だと言われる。農作業の重労働を支えるカロリー密度の高い料理が発達した。

代表的な料理

  • 客家小炒(ハッカシャオチャオ):イカ・豆腐・豚肉・セロリを高火力で炒めた料理。台湾の客家料理の代名詞
  • 梅干扣肉(メイカンコーロー):梅干と豚バラ肉の煮込み。旨みが凝縮されている
  • 粢粑(チバ):もち米を搗いた餅状の食べ物。おやつ・朝食に使われる
  • 擂茶(レイチャ):茶葉・米・ゴマ等をすり鉢で挽いた伝統的な飲み物。新竹の北埔が有名

台湾でどこに行けば体験できるか

客家文化が濃いエリアとして、新竹県・苗栗県が知られている。台湾鉄路(台鐵)で台北から1〜2時間で行ける距離だ。

新竹県の北埔老街は客家の伝統建築と商店街が残る観光エリアで、擂茶の体験ができる茶屋が多い。苗栗の三義は木彫りの産地として有名だが、周辺に客家集落が点在している。

台北市内でも、客家文化を紹介する「台北市客家文化主題公園」(台北市北投区ではなく中正区付近)や客家料理専門店がある。在住者が週末に日帰りで行ける範囲に、客家文化の濃いエリアは十分に存在する。

台湾の食文化は奥が深い。小籠包の次に試す価値があるのは客家料理だという在住者も多い。

コメント

読み込み中...