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医療・保険

台湾の医療費、日本と比べて何が安くて何が高いのか

台湾の全民健康保険加入者・非加入者・日本の保険適用それぞれの医療費を外来・入院・歯科・眼科で比較。「台湾は医療費が安い」の通説を項目別に検証。

2026-04-06
医療費全民健康保険歯科眼科台湾保険

この記事の日本円換算は、1TWD≒5.0円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(TWD)の金額を基準にしてください。

「台湾は医療費が安い」とよく言われます。半分は正しく、半分は正しくありません。何が安くて何が高いのか、項目別に見ていきます。

前提として、台湾の医療保険制度は「全民健康保険(NHI)」の一本です。台湾に6ヶ月以上居住する外国人は加入が義務づけられており、未加入の場合はNT$3,000〜15,000(約1.5万〜7.5万円)の罰金が課されます(全民健康保険法第84条)。雇用されている場合は入国直後から加入できます。

外来(一般内科・風邪等)

台湾(NHI加入者)

NHI加入者が外来を受診する場合、自己負担は登録料と部分負担のみ。

医療機関の種類部分負担
診所(クリニック)NT$50(約250円)
地域病院NT$80(約400円)
区域病院NT$240(約1,200円)
医学センターNT$420(約2,100円)

薬代は処方箋1件あたりNT$0〜200程度。合計で、診所の外来は1回NT$100〜300(約500〜1,500円)で済むことが多い。

台湾(NHI非加入者・自費診療)

NHI未加入の場合は全額自費になります。外来1回でNT$800〜2,000(約4,000〜10,000円)程度。検査が加わるとNT$3,000以上になることもある。

日本(国民健康保険・3割負担)

日本の外来は3割負担で、風邪程度なら1,500〜3,000円程度。初診料・再診料・処方料・薬代を含めた金額です。

比較結果: NHI加入者の台湾のほうが明らかに安い。日本の半額以下になるケースが多い。ただしNHI非加入者の場合は日本より高くなる。

入院

台湾(NHI加入者)

NHI加入者の入院時の自己負担は、診療費の5〜30%(入院日数と費用による段階制)。30日以内の入院で、急性期の場合は自己負担の上限がNT$38,000(約19万円)/回。

ただし、差額ベッド代はNHIの対象外です。台湾の公立病院でも個室はNT$2,000〜6,000/日(約1万〜3万円/日)。私立病院の個室だとNT$5,000〜15,000/日(約2.5万〜7.5万円/日)。

日本(3割負担+高額療養費)

日本では高額療養費制度があり、年収約370万〜770万円の場合、月の自己負担上限は約8万円+α。差額ベッド代は対象外で、1日5,000〜2万円程度。

比較結果: 入院の自己負担は大きく変わらない。差額ベッド代を含めるとほぼ同水準か、台湾の私立病院のほうが高くなることもある。

歯科

台湾(NHI加入者)

NHIは基本的な歯科治療をカバーします。歯石除去(年2回まで)、虫歯治療、抜歯などは部分負担のみ。診所で受ければ1回NT$50(約250円)の自己負担で済む。

ただし、インプラント・矯正・ホワイトニングはNHI対象外。インプラント1本でNT$50,000〜100,000(約25万〜50万円)。矯正はNT$80,000〜200,000(約40万〜100万円)。この自費部分は日本と同程度か、やや安い。

日本(3割負担)

日本でも基本治療は保険適用。虫歯治療1回2,000〜5,000円(3割負担)。インプラントは自費で1本30万〜50万円程度。

比較結果: 基本治療は台湾のほうが安い。自費治療(インプラント・矯正)は台湾のほうがやや安い傾向だが、大きな差はない。

眼科

台湾(NHI加入者)

一般的な眼科検査(視力検査、眼圧測定等)はNHI対象。部分負担はNT$50〜80程度。コンタクトレンズの処方も保険対象になる場合がある。

レーシック・ICL(眼内レンズ)は自費。レーシックはNT$30,000〜60,000/両眼(約15万〜30万円)。日本ではレーシック20万〜50万円程度なので、台湾のほうがやや安い。

日本(3割負担)

一般検査は3割負担で1,000〜3,000円程度。レーシックは自費で20万〜50万円。

比較結果: 一般検査は台湾のほうが安い。レーシックも台湾のほうが安い傾向。

NHIの保険料——「安い」にはコストがある

台湾のNHIに加入すると保険料が発生します。雇用されている場合、保険料は月収の5.17%(2024年時点)を労使折半(被雇用者30%・雇用主60%・政府10%)。

被雇用者の負担分は月収の約1.55%。月収NT$50,000(約25万円)の場合、自己負担は月NT$775(約3,875円)程度。日本の国民健康保険(年収300万円で月2万円前後)と比べると格段に安い。

扶養家族がいる場合は追加の保険料がかかりますが、それでも日本の健康保険と比較して安い水準です。

まとめ——安い項目と高い項目を分けて考える

項目台湾(NHI加入)台湾(NHI非加入)日本(3割)
外来(風邪等)安い高い中間
入院(急性期)ほぼ同じ高いほぼ同じ
歯科(基本治療)安い高い中間
歯科(インプラント等)やや安いやや安い中間
眼科(一般)安い高い中間
眼科(レーシック)やや安いやや安い中間
保険料安い高い

「台湾は医療費が安い」は、NHI加入者に限った話です。NHI未加入のまま台湾で受診すると、日本より高くつくことが普通にある。台湾に6ヶ月以上住むなら、NHI加入は義務であり、同時に経済的にも合理的な選択です。

逆に、NHI加入者であっても差額ベッド代や自費治療(インプラント、矯正、レーシック等)は日本とそこまで変わりません。「台湾に住んでいるから医療費は全部安い」という思い込みは修正しておいたほうがいいです。

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