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文化・社会構造の分析

天燈(スカイランタン)——平溪・十分の空を照らす光と、その裏側

台湾・新北市の平溪(ピンシー)と十分(シーフェン)は天燈(スカイランタン)の名所だ。世界中の観光客が集まるが、環境問題・安全問題も抱える。その両面を見る。

2026-06-18
天燈平溪十分

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.7円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

夜の十分(シーフェン)、願い事を書いた天燈が一斉に空に上がる。光の群れが夜空に吸い込まれていく光景は、多くの旅行者がInstagramに「台湾で一番感動した」と書く類の体験だ。

天燈の起源

天燈の起源については諸説ある。三国時代の諸葛孔明が軍事信号として使ったという説、或いは清代の客家移民が山賊から逃れた後に無事を知らせたという説など、いずれも確証のある記録より口承に近い(推定)。

平溪・十分エリアは台湾北部の山間部で、かつては炭鉱で栄えた地域だ。産業が衰退した後、天燈文化が観光産業として再生された。

旅行者が知るべき実態

天燈一つの料金は150〜200 NTD(705〜940円)程度(推定)。複数色のセットや、許可証付きの大型天燈は高くなる。

十分の場合、観光客は線路の上で天燈を上げる——そう、実際に台鐵が走る線路の上だ。列車が来ない時間帯を使って観光客が線路上に並ぶ独特の光景は、安全リスクを抱えつつも地域の名物として続いている。

環境問題

天燈は上空で燃え尽きた後、燃えかすが地上・山林・海に落ちる。過去に山火事が発生した事例も報告されており(推定)、航空機への影響も懸念される。台湾当局は天燈の素材改良(環境分解可能な素材)や規制強化を進めているが、観光産業との兼ね合いで完全な禁止には至っていない。

光が美しいことは確かだ。ただその光が落ちた後に何が残るかを知った上で、飛ばすかどうかを判断するのも、旅の一つの態度だと思う。

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