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中台関係と在住外国人——「有事」への心理的備え

台湾は中台間の地政学的緊張を抱える地域。在住外国人が知っておくべき現状認識、リスクの実態、台湾に住む人々の日常とのギャップを解説する。

2026-04-25
中台関係地政学安全リスク生活

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(TWD)の金額を基準にしてください。

台湾に住む、という話をすると、日本の知人からはほぼ必ず同じ質問が来る。

「戦争になったらどうするの?」

台湾在住の外国人が共通して感じるのは、日本から見た台湾と、台湾で実際に生活することのギャップだ。

現地の「体感」と外からの「認識」のずれ

台北の生活は、東京や大阪と比べてもそれほど変わらない日常が広がっている。夜市で飲食し、MRTで移動し、スーパーで買い物する。通りを歩いていて「有事が近い」と感じさせる空気は、少なくとも日常生活の中には薄い。

台湾人に聞くと、「ずっとそういう状況の中で生きてきたから」という答えが多い。1949年の国共内戦終結以来、台湾は中国との緊張関係を常に抱えながら経済成長を遂げてきた。慣れ、あるいは「常態化」が起きている。

リスクの実態

現実的な地政学的リスクは存在する。これは否定できない。

中国は台湾周辺での軍事演習を定期的に行っており、台湾海峡の緊張は2020年代に入って高まっている。米国・日本・欧州各国も台湾情勢を重要課題として認識している。

ただし、軍事的な有事がいつ起きるか、起きるかどうか自体、現時点では誰にも正確には予測できない。

在住外国人の現実的な対応

台湾在住の外国人(日本人を含む)の多くは、以下のような現実的な立場をとっている。

日本大使館に相当する機関への登録: 在台湾日本人は「公益財団法人交流協会台北事務所」に在留届を提出できる。緊急時の連絡先として登録しておく。

脱出プランを頭の中に持つ: 「もし有事が起きたとき、どうやって帰国するか」を一度考えておく。航空機が飛ばなくなる可能性、陸路・海路の選択肢等。

過度に心配せず、日常を送る: 実際に台湾に長期在住している外国人の多くは、日常のリスク管理として考えつつ、普通に生活している。

台湾人の「打不死精神」

台湾人と話すと、現状についての楽観論と覚悟が混在していることが多い。

「中国に攻められるのが嫌だから民主主義と自由を守りたい」という意識と、「それでも今の生活を続けていく」という意志が共存している。

在住外国人にとってこの感覚は理解しにくい部分もある。しかし、台湾の人々がどういう認識のもとで生きているかを知ることは、台湾という場所を深く理解することにつながる。

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