台湾の賃貸契約で見落としがちな5つの落とし穴
台湾で部屋を借りるとき、日本の常識が通用しない場面がある。保証金の返還条件、原状回復の範囲、仲介手数料の相場まで、契約前に知っておくべきポイントを整理する。
この記事の日本円換算は、1TWD≒4.8円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(TWD)の金額を基準にしてください。
台湾の賃貸契約書は中国語で、しかも法的拘束力のある条項が日本とは異なる構造になっている。日本で10回引っ越した経験があっても、台北で最初の部屋を借りるときには別のゲームが始まる。
保証金(押金)は2ヶ月が標準だが、返ってこないパターンがある
台湾の賃貸保証金は通常2ヶ月分。台北市内の1LDK(TWD 20,000〜35,000/月、約96,000〜168,000円)なら、TWD 40,000〜70,000を入居時に預ける。
問題は退去時だ。日本では国土交通省のガイドラインが原状回復の範囲を定めているが、台湾にはそれに相当する統一基準がない。大家が「壁の汚れ」「床の傷」を理由に保証金から差し引くケースがあり、その金額は大家の裁量に依存する。
対策: 入居時にスマートフォンで全部屋の写真を撮り、日付入りで大家に送っておく。LINEで送れば記録が残る。
仲介手数料は「家賃0.5ヶ月分」が上限
台湾の不動産仲介手数料は、借主・貸主それぞれ家賃の0.5ヶ月分が法定上限(不動産仲介業管理条例)。日本の「家賃1ヶ月分+税」と比べると安い。ただし591房屋(台湾最大の不動産ポータル)で大家が直接掲載している物件なら仲介手数料はゼロになる。
外国人の場合、中国語の契約書を読むために仲介を通すメリットはある。費用対効果で判断する場面だ。
「管理費込み」と「管理費別」の罠
台湾のマンション(大樓)には管理費(管理費)がかかる。月TWD 1,000〜3,000(約4,800〜14,400円)が相場だが、募集広告に「含管理費」と書いてある場合とない場合がある。
591房屋の検索結果では家賃表示に管理費が含まれていないことが多い。内見時に「管理費は別ですか?」と確認しないと、契約後に月々の支出が想定より高くなる。
契約期間は1年が基本、途中解約のペナルティに注意
一般的な契約期間は1年。途中解約の場合、保証金の一部(通常1ヶ月分)が違約金として差し引かれる契約が多い。
日本のように「1ヶ月前に通知すれば退去可能」という慣行はない。契約書の解約条項を入居前に確認し、できれば「2ヶ月前通知で違約金なし」の条項を交渉する余地がある。
家具付き物件が主流——だからこそ確認すべきこと
台湾の賃貸は家具・家電付きが一般的。冷蔵庫、洗濯機、エアコン、ベッドが備え付けの物件が多い。便利だが、故障時の修理費負担が曖昧なまま契約するケースがある。
契約前に確認すべき項目:
- エアコンが故障したら誰が修理費を負担するか
- 備え付け家電のリスト(写真付き)を契約書に添付しているか
- 退去時に家電が劣化していた場合の責任範囲
台湾の賃貸契約は、日本と比べると「大家との個人的な関係」に依存する部分が大きい。契約書の外側で決まることがある、という前提で臨む方が現実的だ。