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葱と台湾料理——食文化の根幹にある食材の話

台湾料理における葱の役割を解説。葱油餅・蔥花蛋・葱花滷肉飯など、台湾の食卓に欠かせない葱料理と食文化の背景、在住外国人が葱の使い方を通じて台湾料理を理解するヒントを紹介します。

2026-04-26
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台湾の朝ごはん屋(早餐店)に入ると、葱の香りがする。夜市でも葱の香りがする。牛肉麺の上にも、蚵仔煎(カキのオムレツ)にも、卵焼きにも、葱がのっている。

台湾料理から葱を取り除いたら、おそらく別の料理になってしまう。

葱が台湾料理の土台にある理由

台湾の料理は、福建(閩南)・客家・日本統治時代・外省人(大陸各地)の料理文化が混ざった重層的な食文化を持つ。それぞれの流れに共通しているのが「葱を多用する」という点だ。

気候的にも、台湾は葱の栽培に適している。宜蘭(イーラン)、彰化、屏東等が産地として知られ、特に宜蘭の「三星葱(サンシン葱)」は台湾全土でブランド葱として扱われる。甘みが強く、太めで柔らかいのが特徴だ。

葱が主役の料理

葱油餅(ツォンヨウビン)
最も身近な葱料理の一つ。小麦粉の生地に葱を混ぜ込んでフライパンで焼いた料理で、朝食や軽食として食べられる。1枚TWD 25〜40(120〜192円)程度。屋台で焼き立てを食べると、外はパリパリ、中はもちもちで別物の旨さがある。

蔥花蛋(ツォンホアダン)
葱の卵焼き。家庭料理の定番で、家でも手軽に作れる。ご飯のおかずとしてどの食堂にもある。

葱花滷肉飯(ツォンホアルーローハン)
豚バラの煮込み(滷肉)をご飯にかけた料理に葱が散る。台湾を代表する国民食の一つ。

葱爆牛肉(ツォンバオニュウロウ)
葱と牛肉を強火で炒める料理。台湾式中華の定番で、小籠包の店や台湾料理店のメニューによく登場する。

三星葱という聖地

宜蘭県三星郷で作られる三星葱は、台湾で「最高品質の葱」として広く認知されている。収穫期(秋〜冬)になると三星葱のフェアが各地で開かれ、葱製品(葱油、葱ペースト、葱の乾燥品)が土産として売れる。

台北から宜蘭へはバスで約1.5〜2時間。葱油餅の食べ歩きと宜蘭の自然を組み合わせた小旅行は、在住者の定番の一つだ。

在住外国人の「葱慣れ」

台湾に住み始めてしばらくすると、「葱を意識せず食べるようになる」という変化が起きる。最初は「また葱が入ってる」と感じていたのに、いつの間にか葱のない料理が物足りなく感じる。

これは台湾料理に慣れた証拠だ、と台湾人の友人に言われた在住者の話をよく聞く。食べ物の好みが変わるとき、文化の中に少し入り込んでいる。

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