浪犬(ランチュアン)問題——台湾の野良犬政策転換と今の現実
台湾は2017年に野良犬の殺処分を廃止した。TNR政策(捕獲・不妊手術・元に戻す)への転換は世界から注目されたが、課題もある。野良犬との共存という問いを探る。
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台湾の地方都市を歩くと、首輪のない犬が道端でうとうとしていることがある。近所の人が世話をしているようで、人を怖がる様子もない。
浪犬(ランチュアン)——台湾語で野良犬を意味する言葉だ。台湾の野良犬問題は長年の課題だったが、2017年に政策が大きく転換した。
2017年の殺処分廃止
2017年、台湾政府は動物保護法を改正し、収容動物(引き取り・捕獲した野良犬)の安楽死(殺処分)を原則禁止とした。これはアジアで初めての試みとして国際メディアが報道し、注目を集めた。
代替策として推進されたのがTNR(Trap-Neuter-Return)だ。野良犬を捕獲し、不妊・去勢手術を行い、元の場所に戻す。個体数の増加を防ぎながら、殺処分をしない方針だ。
成果と課題
TNR政策の成果として、野良犬の繁殖スピードを抑制できた地域もある(推定)。しかし一方で収容施設(公立動物收容所)の動物が増加し、施設の過密状態が問題になった。引き取り手(里親)の確保が追いつかないケースも多い。
また、野良犬が人を噛む事例や農村部での家畜被害が完全にはなくなっておらず、農業従事者と野良犬問題のバランスが課題として残る。
台湾人のペット文化
台湾では近年ペット(寵物、チョンウー)の飼育が急増している。少子化による「子供代わりのペット」への愛着、ペット向けサービス業の充実——台湾のペット産業は急成長中だ(推定)。
野良犬への関心も、ペット文化の高まりと連動している部分がある。「殺さない社会」への転換は、命への向き合い方の変化を象徴していると捉えることもできる。