甘蔗汁(カンジェジー)——台湾で今も飲み続けられるサトウキビジュースの話
台湾の路上でサトウキビを絞る機械を見かけたことがあるだろうか。バブルティーが世界を席巻しても、台湾には昔ながらのサトウキビジュース文化が残っている。
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台湾の市場や夜市の角で、大型の機械にサトウキビをゴリゴリと通す様子を見かけることがある。出てくるのは薄緑色の液体——甘蔗汁(カンジェジー、サトウキビジュース)だ。
台湾の飲料市場は珍珠奶茶(タピオカミルクティー)をはじめとする多様な飲み物で溢れているが、シンプルに「搾りたてのサトウキビ」というスタイルは何十年も変わっていない。
台湾とサトウキビの歴史
台湾はかつてアジア有数のサトウキビ産地だった。日本統治時代(1895〜1945年)に近代的な砂糖産業が整備され、台糖(台湾糖業公司)は国営企業として今も存続している。
農業の重点が変わり、大規模なサトウキビ栽培は減少したが、民間の飲料・農産物としての文化は残った。
甘蔗汁の味と種類
基本の甘蔗汁は、搾りたてのサトウキビ汁に氷を入れただけのもの。甘さは強いが、後味はすっきりしている。レモンを少量加えたタイプも人気だ。
価格は1杯30〜60 NTD(141〜282円)程度(推定)。台湾の夏(6〜9月)の蒸し暑さの中で飲む甘蔗汁の清涼感は、タピオカミルクティーとは異なるシンプルな快感がある。
健康意識との相性
台湾の健康食・漢方的な価値観では、サトウキビは「清熱(体の熱を冷ます)」食材として位置づけられる(伝統的な見方)。夏の暑さや疲労回復にいいという認識が、飲む習慣を支えている面もある。
珍珠奶茶のように世界を席巻したわけではないが、甘蔗汁は台湾の「地べた」の食文化としていつもそこにある。観光客向けの特別なものではなく、近所の人が日々飲む飲み物として。