Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
文化・社会構造の分析

台湾の婚禮(ホンリー)——結婚式が「家族のイベント」になる理由

台湾の結婚式は当事者の日ではなく、家族全体のイベントだ。婚宴(バンケット)文化、結婚前の繁雑な手続き、費用の相場——日本と異なる台湾婚禮の実態。

2026-06-05
結婚式婚禮文化

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.7円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

台湾で結婚式の案内状が届いたとき、日本人がまず戸惑うのは形式だ。教会式でも神前式でもない。台湾の婚禮の中心は「婚宴(ホンイェン)」——披露宴に相当するバンケットだ。

婚宴文化の特徴

台湾の婚宴は円卓を囲む中華スタイルで、1テーブル10〜12人が同席する。料理は大皿で次々と出て来る八仙席(パーシエンジー)形式が多く、10〜12品を全員で分け合う。鮑魚(アワビ)・龍蝦(ロブスター)・大排翅(サメのひれ)などが出る格のある宴会は、費用も高い。

テーブル単位の費用は2〜5万 NTD(9,400〜23,500円)が相場(推定)。会場の規模によって大きく変わる。

婚禮前の「訂婚(ティンホン)」

台湾の正式な婚禮には「訂婚(婚約式)」と「結婚(本式)」の2段階がある。訂婚は両家の家族が集まり、礼品(礼物)を贈り合う儀式だ。男方(男性側)から女方(女性側)に礼金(聘金、ピンジン)を渡す習慣が残っている地域もある。

費用の分担

費用の分担方法は家庭によって異なる。婚宴の費用は男女双方の家族が分担するケースや、男方側が多く出すケースなど、交渉によって決まる。

在住外国人が台湾人と結婚する場合、両家の期待とコスト観の違いが摩擦を生むことがある。日本では新郎新婦が主導で計画する結婚式が多いが、台湾では両親・親族の意向が強く反映される。これは「婚禮は家と家の結びつき」という価値観の表れだ。

婚宴の席で新郎・新婦が各テーブルを回ってゲストと乾杯する習慣もある。繁忙なスケジュールの中で何十テーブルもまわる新郎新婦の表情は、疲れながらも幸福そうで——それが台湾式婚禮の名物ショーでもある。

コメント

読み込み中...