台湾の菜食文化——仏教系精進料理とベジタリアン対応
台湾は菜食大国だ。仏教信仰に根ざした素食(ソーシー)文化から、ビーガン対応のモダン料理まで、在住者が使える台湾の菜食事情を解説。外食でのオーダー方法も紹介。
この記事の日本円換算は、1TWD≒4.8円で計算しています(2026年4月時点)。
台湾の夜市を歩いていると、肉料理・海鮮が並ぶ中に「素食(ソーシー)」という看板の店が必ずある。精進料理の専門食堂だ。日本では「ベジタリアン料理は探しにくい」という声があるが、台湾は逆で「探さなくても素食が目に入る」環境だ。
素食文化の背景
台湾の素食文化は主に仏教信仰に起因している。台湾の仏教徒(道教と混合した形も含む)の間には「月の1日・15日に菜食を取る」という慣習がある。また出家者はもちろん、精進日を設けている信者も多い。
台湾全体での素食人口は推計で数百万人規模とされており(推定値)、素食専門レストランは全国に多数存在する。台北市内だけで数百軒の素食食堂が営業している。
素食の種類
「素食」という言葉が指す内容には幅がある:
- 全素(ビーガン): 動物性食品・五辛(ネギ・ニンニク・エシャロット・ニラ・らっきょう)を一切使わない
- 奶素(乳製品OK): 乳製品は含む
- 蛋素(卵OK): 卵は含む
- 奶蛋素: 乳・卵両方OK
- 植物五辛素: 五辛(ネギ等)はOKだが肉・魚はNG
レストランのメニューや看板に「全素」か「奶蛋素」かが表示されているケースが多い。外食時には事前確認が無難だ。
在住者が使える素食食堂
台北での代表的な選択肢:
- 台北植物性(Taipei Plant Based): モダンビーガンカフェ系。インスタ映えする料理が多い
- 素食自助餐(ビュッフェ形式): 重量or皿サイズで料金が決まるスタイルで、100〜150TWD(480〜720円)程度でランチが取れる。駅周辺に多い
- 夜市の素食屋台: 1品50〜80TWD(240〜384円)前後
ランチにオフィス近くの素食自助餐を使う在住者は多い。野菜中心なのでカロリーコントロールがしやすく、肉が苦手でなくても選ぶ人がいる。
外食での注意点
台湾料理は基本的に動物性の出汁(骨スープ・魚介)を使うことが多い。素食でない一般の台湾料理店でも「我是素食者(私はベジタリアンです)」と伝えることで配慮してもらえる場合があるが、出汁ベースまで変えてもらうのは難しいことが多い。
ビーガン・菜食に徹したい在住者は、「素食」表示の専門店を選ぶのが確実だ。
台北はグルバル化とともに欧米系のモダンビーガン・プラントベースのカフェも増えており、仏教系素食とは異なる文脈での菜食需要にも対応しつつある。どちらの文化も並存しているのが、台湾の食のおもしろいところだ。