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台湾の国民健康保険(NHI)は外国人にも開かれている——加入条件と医療費の実態

台湾の全民健康保険(NHI)は一定条件を満たした在住外国人も加入できる。月額保険料・医療費の自己負担・日本の保険との関係を具体的な数字で解説します。

2026-04-13
医療健康保険NHI在住外国人生活費

この記事の日本円換算は、1TWD≒4.7円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。

台湾の全民健康保険(NHI:National Health Insurance)は、1995年に導入された強制加入の単一医療保険制度だ。加入率は99%を超えているとされており、外国人在住者も条件を満たせば加入できる。

「台湾の医療は安くて質が高い」という評判をよく聞くが、その安さを支えているのがNHIだ。

外国人のNHI加入条件

在住外国人がNHIに加入できる条件は主に以下の通りだ(2026年時点、詳細は衛生福利部中央健康保険署で確認)。

  • 就労居留証(Work Permit付き)で台湾に滞在し、雇用主を通じて加入する(就労者)
  • 居留証取得後6ヶ月が経過した居留者(無職・学生等を含む)
  • 台湾人配偶者として帯同する場合は加入条件が緩和されることがある

6ヶ月待機期間というのが重要で、居留証を取った直後はNHIに加入できないケースがある。この期間は民間の旅行保険・海外旅行保険でカバーするか、自費で医療を受ける必要がある。

保険料の水準

NHIの保険料は収入に応じて計算される。就労者の場合は雇用主が保険料の一部を負担する。月収が比較的高い場合(たとえば月収NTD40,000の場合)、自己負担分は月にNTD600〜1,200(約2,820〜5,640円)程度が一つの目安となるが、正確な額は加入の際に確認してほしい。

比較として、日本の健康保険(協会けんぽ)の保険料率は標準報酬月額に対して約9.98〜10.58%(2025年度)。台湾のNHIはこれより低い水準で、収入に占める保険料の割合は台湾の方が小さくなりやすい。

NHI加入後の医療費

NHIに加入すると、医療費の自己負担は大幅に下がる。

一般的なクリニック(診所)の受診は自己負担がNTD150〜360(約705〜1,692円)程度。薬代も保険適用内なら数十元台になる。大病院(地区醫院以上)での受診は紹介状なしで行くと自己負担が上がる仕組みで、NTD360〜540程度(医療機関レベルによる)の定額負担が発生する。

入院の場合はさらに仕組みが複雑になるが、NHI加入者であれば日本と比べて明らかに安い自己負担になるケースが多い。

日本の保険との関係

台湾のNHIに加入している期間は、日本の国民健康保険に同時加入し続けることはできない(日本側でも住民票を抜くと保険資格を喪失するため)。

帰国したときの医療についての備えとして、国際医療保険(海外旅行保険の長期版)を別途持っておくことを検討する在住者も多い。帰国時・旅行時の医療費を日本のNHIでカバーできない状況になるためだ。

歯科・眼科の扱い

NHIの適用範囲として日本と異なる点がある。歯科は一定の範囲でNHIが適用される(虫歯治療・抜歯等)が、審美的な治療(ホワイトニング・インプラント等)は自費だ。

視力矯正(眼鏡・コンタクトレンズ)はNHI対象外。ただし台湾は眼科・レーシック系の医療水準が高く、自費でも日本より安い価格で手術を受けられることがある。

台湾での医療体制を整えるうえで、NHI加入のタイミングと6ヶ月の待機期間を事前に把握しておくことが、最初のうちに最もコストに影響する判断になる。

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