固定資産税と自宅免除——アメリカの不動産税をめぐる地域差
アメリカの固定資産税(Property Tax)は州・郡・市によって大きく異なり、同じ物件でも居住する州で年間数千〜数万ドルの差が出ます。ホームステッド免除の制度も解説します。
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「テキサスは州所得税がないから税が安い」——よく聞くフレーズだ。しかし固定資産税(Property Tax)を入れると話が変わる。
テキサスの固定資産税率は全米でも高い部類に入り、1.5〜2.5%程度の実効税率が一般的だ(郡・市区ごとに異なる)。一方、ハワイは固定資産税率が0.3%前後で全米最低水準とされる(各州税務局データを参照)。
税制全体でどの州が「有利か」は、所得税・売上税・固定資産税のバランスで総合的に判断する必要がある。
固定資産税の仕組み
アメリカの固定資産税は連邦税ではなく地方税だ。州→郡(County)→市(City/Town)の各レベルで課税される。学区(School District)が固定資産税収入の主な用途になることが多い——子どもが通う公立学校の質は、住んでいる学区の固定資産税収入に大きく左右されるわけだ。
課税標準となる「査定評価額(Assessed Value)」は、市場価値の一定割合(100%の州もある、50%の州もある)として設定される。
ホームステッド免除(Homestead Exemption)
多くの州で「Homestead Exemption(ホームステッド免除)」という制度がある。自分が実際に住んでいる主たる住居(Homestead)については、課税評価額から一定額を差し引く制度だ。
例えばテキサスでは、住宅所有者が自分の主たる住居として届け出ると、評価額から最低10万ドルが差し引かれる(市区・学区によってさらに加算がある場合も)。65歳以上や障がいのある方は追加の免除がある。
日本でいう住宅用地の特例(固定資産税6分の1)に似た発想だ。
申請が必要
ホームステッド免除は多くの場合、「自動的には適用されない」。物件を購入した後、所定の期限までにCounty Appraisal Districtまたは相当の機関に申請書を提出する必要がある。
新規購入者が申請を忘れて数年分の免除を受け損なうことがある。物件購入後の確認リストに必ず含めておきたい。
賃貸vs購入の判断における固定資産税
物件を購入する際、固定資産税の年間コストを確認することは必須だ。不動産エージェントや物件情報サイトで「property tax history」を確認できる。
月々の住宅ローン返済額に加えて、固定資産税・保険料・HOA費用を合算した「PITI(Principal, Interest, Tax, Insurance)」で月々のコストを考えるのがアメリカの住宅購入の標準的な計算方法だ。