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アメリカの道路にポットホールが多い理由——インフラ老朽化は数字で見ると想像以上だった

アメリカの道路はなぜ穴だらけなのか。インフラ整備への連邦・州・地方の財源構造、凍結融解サイクル、ガソリン税の据え置き問題から、在米日本人が知っておくべき対策まで。

2026-05-26
インフラ道路ポットホール運転

この記事の日本円換算は、1USD≒155円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(USD)の金額を基準にしてください。

アメリカの高速道路を運転していて、タイヤがバンッと弾む。ポットホール——道路にぽっかり空いた穴だ。

日本で育った人間にとって、先進国の幹線道路にこれほど穴が多いのは衝撃的な光景かもしれない。

連邦ガソリン税、1993年から据え置き

アメリカの道路財源の大きな柱は連邦ガソリン税だが、この税率は1993年にガロンあたり18.4セントに設定されてから30年以上変わっていない。インフレ調整すると、実質的な税収は当時の半分以下まで目減りしている。

日本のガソリン税(本体+暫定税率)はリッターあたり53.8円。アメリカの連邦ガソリン税をリッター換算すると約5セント、つまり約7.8円。桁が違う。

凍結融解サイクルという物理現象

北東部や中西部では、冬の気温変動で水が道路の小さなひびに染み込み、凍って膨張し、溶けて隙間を広げる。このサイクルが一冬に数十回繰り返される。

ミシガン州やペンシルベニア州の道路が特にひどいのは、この凍結融解が激しい地域だからだ。気候と財源不足の二重苦。

数字で見るインフラの老朽化

ASCE(米国土木学会)の2021年インフラ成績表で、アメリカの道路の評価は「D」(不良)。橋梁も「C」(可)だ。

走行中にポットホールでタイヤやホイールが損傷した場合、修理費は1回あたり平均$300〜$600(約46,500〜93,000円)。AAAの推計では、年間でドライバーが負担するポットホール関連修理費は全米合計で$30億に達する。

在米生活での対処法

走り慣れた道のポットホールは覚えておくしかない。通報アプリ(311アプリやSeeClickFix)を使えば自治体に報告できるが、修繕までに数週間〜数ヶ月かかることも珍しくない。

冬が終わった直後の3〜4月は「ポットホールシーズン」と呼ばれる。この時期は普段より速度を落として走るのが賢明だ。

タイヤの空気圧を適正に保つことが、ポットホール被害を最小化する最も現実的な防御策になる。パンクした場合、多くの州ではポットホールの存在を自治体に通報済みだったと証明できれば、修理費の請求が通ることもある。ただし手続きは煩雑で、実際に回収できるケースは少ない。

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