Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
税金・制度

アメリカのリモートワークと州税——住む州によって税金が変わる複雑な仕組み

アメリカでは住む州によって州所得税率が0%〜13%超まで大きく異なる。リモートワーク定着後、「どの州に住むか」が手取りに直結するようになった構造を解説する。

2026-04-30
アメリカ州税リモートワーク税金所得税

この記事の日本円換算は、1USD≒155円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(USD)の金額を基準にしてください。

アメリカのリモートワーカーが「どこに住むか」を選ぶ際に、家賃や気候と同じくらい重要な要素が「州税」だ。連邦所得税に加えて、州によって異なる州所得税が個人の手取りに大きく影響する。

州所得税の格差

アメリカの州所得税(State Income Tax)は州によって大きく異なる。

州所得税なし(0%)の州:テキサス(TX)、フロリダ(FL)、ネバダ(NV)、ワシントン(WA)、テネシー(TN)、サウスダコタ(SD)、ワイオミング(WY)など9州。

最高税率が高い州:カリフォルニア(CA)は最高13.3%(全米最高水準)、ニュージャージー(NJ)は最高10.75%、ニューヨーク(NY)は最高10.9%程度。

年収$100,000(約1,550万円)の場合、カリフォルニア居住と(所得税なしの)テキサス居住では、単純計算で州税だけで年$5,000〜$10,000(約77.5万〜155万円)の差が生じうる。リモートワーカーが「テキサス移住」を選ぶ理由の一つがここにある。

「どの州で働いたか」問題

ここが複雑になる。リモートワークでは、「居住している州」と「仕事をした州」が一致しないことがある。

カリフォルニアに会社があり、テキサスに住んでリモート勤務した場合、カリフォルニア州が「カリフォルニアで仕事をした」として州税を課税するかどうかは、州の規定による。カリフォルニアは課税に積極的な州として知られており、雇用主が所在する州のルールも確認が必要だ。

ニューヨーク州の「コンビニエンスオブエンプロイヤー」ルールはさらに厳格で、ニューヨーク州に雇用主がある場合、物理的にニューヨーク州外にいても課税対象とする場合がある(2024年時点)。

州税は連邦税と違い、州ごとに独自のルールがあり、リモートワーカーに対する課税方針も変化している。確定申告前に税理士(CPA)に確認することが重要だ。

日本人駐在員・就労者への影響

アメリカで就労する日本人も、居住している州によって州税の扱いが変わる。

日米租税条約は州税には適用されないため(連邦税のみが対象)、州税については米国法に基づいて計算される。ロサンゼルス在住(カリフォルニア)とダラス在住(テキサス)では、同じ連邦レベルの収入でも実質的な手取りが異なる。

駐在員の場合は会社が税務調整をするケースが多いが、就労ビザで現地採用されている場合は自分で把握しておく必要がある。

無税州への移住は「節税」か「生活コストの置き換え」か

テキサスやフロリダに「州税なし目的」で移住するケースは増えているが、注意点もある。固定資産税(Property Tax)はテキサスが全米最高水準のひとつ。住宅コストがフロリダでは急上昇している。「州税ゼロでも、別のコストで相殺される」という状況も珍しくない。

トータルのコスト(州税+固定資産税+住宅費+生活費)で比較してから移住先を決めるのが現実的な判断軸になる。


KAIスポット — みんなで作る現地情報

Kaigaijinでは、現地に住む日本人が実際に使っているスポット(レストラン・クリニック・美容室・不動産など)を国別に集めています。

アメリカのKAIスポットを見る・情報を追加する

コメント

読み込み中...