アメリカのロードトリップ——州間高速道路(Interstate)が作った旅の文化
アメリカでは車で大陸を横断する「ロードトリップ」が文化として根付いています。州間高速道路システムの誕生から、ルート66の神話、現代のロードトリップ文化を解説します。
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「Come on baby let's go to Route 66」——ナット・キング・コールが歌い、多くのアーティストが継承したこの曲は、道路そのものへの愛着を表している。
アメリカは広大で、鉄道網は日本やヨーロッパに比べて発達していない。代わりに州間高速道路(Interstate Highway System)と車文化が、アメリカ人の移動の骨格をなしている。
アイゼンハワーと高速道路網
現代のInterstateは1956年のDwight D. Eisenhower大統領時代に「Federal Aid Highway Act」で建設が始まった。冷戦下での「軍事的移動の確保」も設計思想の一部にあった。
総延長は約77,000キロメートル以上(推定、FHWA連邦道路局などのデータを参照)に及ぶ巨大なネットワークで、偶数番号が東西路線、奇数番号が南北路線という命名規則がある。
Route 66という神話
1926年に開通したルート66(U.S. Route 66)は、シカゴからサンタモニカ(ロサンゼルス近郊)を結ぶ約3,940キロの道路だ。大恐慌時代に「オクラホマ州の農家が西海岸を目指して移動した道」として有名になり、ジョン・スタインベックの小説『怒りの葡萄』にも描かれた。
1985年に廃路指定されたが、現在でも観光ルートとして復活し、各州で「Historic Route 66」として保存・整備されている。ネオンサインが残る古いモーテル、ダイナー、給油スタンド——アメリカの「原風景」がそこにある。
現代のロードトリップ
ロードトリップはアメリカの「大人の通過儀礼」的な側面を持つ。卒業後の旅、友人とのアドベンチャー、家族での国立公園巡り——車で長距離を移動する体験が、アメリカ人の人生の記憶に刻まれている。
Google MapsやWazeの普及で旅のナビは格段に楽になったが、「何が待っているかわからない」という不確実さを楽しむ感覚は残っている。
在米者として試みる価値
日本から来た人が「アメリカを感じる」体験として、ロードトリップは特別な価値がある。飛行機では見えない地形の変化、見知らぬ街のダイナーでの朝食、夕暮れの高速道路——車でしか味わえない時間がある。
ガソリン価格と季節(夏は観光地が混む)を考慮しながら、週末の小旅行から始めてみる価値はある。