州所得税なし7州のメリットと現実——テキサス・フロリダ等の在住事情
アメリカには州所得税がない7州がある。テキサス・フロリダ・ワシントン等への移住が在住日本人に与えるメリットと、見落とされがちなデメリットを整理する。
この記事の日本円換算は、1USD≒155円で計算しています(2026年4月時点)。
カリフォルニアで働いていた頃、州所得税で13%以上を持っていかれていた。テキサスに転職した同僚が「あの差は大きい」と言った意味が、数字を見て初めてわかった。
州所得税なしの7州
アメリカ50州のうち、2026年現在、州レベルの所得税がない州は以下の7つです:
- テキサス(Texas)
- フロリダ(Florida)
- ワシントン州(Washington)
- ネバダ(Nevada)
- サウスダコタ(South Dakota)
- ワイオミング(Wyoming)
- アラスカ(Alaska)
テネシーとニューハンプシャーはかつて利子・配当所得のみ課税でしたが、それぞれ2022年・2025年に完全廃止となりました。
実際の税負担差
年収100,000ドルのケースで比較すると(連邦税は全州共通):
- カリフォルニア: 州所得税率 約9〜10% → 追加負担 約9,000〜10,000ドル(約139万〜155万円)
- ニューヨーク州: 州所得税率 約6〜7% → 追加負担 約6,000〜7,000ドル(約93万〜108万円)
- テキサス・フロリダ等: 州所得税 0ドル
年収が高いほど差は開きます。高収入のIT・金融職でテキサスやフロリダを選ぶ動きが、2020年代に加速した背景です。
見落とされがちなコスト
固定資産税(Property Tax): テキサスは固定資産税率が全米でも高い部類で、住宅評価額の1.5〜2.5%程度が毎年課税されます。カリフォルニアの0.7〜1%と比べると、住宅を持つ場合はこのコストが無視できません。
公共サービスの差: 州税が低い州は、学校・インフラへの公的支出が少ない傾向があります。学校区の質や公共交通の便利さに差が出るケースがあります。
生活費全体: フロリダのマイアミ・オーランドエリアや、テキサスのダラス・オースティンは2020年以降に人口流入が増加し、家賃・物価が急騰しています。「州税ゼロだから安い」という単純な話ではなくなっています。
日本人在住者の分布
在米日本人はカリフォルニア・ニューヨーク・ハワイに多く集中しています(外務省 2023年)。テキサス・フロリダは日系コミュニティが薄く、日本語環境(医療・食材・学校)は限定的です。駐在員より現地採用や独立した長期滞在者に向く選択肢といえます。