スリフトストアを愛するアメリカ——中古文化とジェネレーションZ
Goodwill、Salvation Army、ThredUp——アメリカの中古・リユース文化は新しい段階に入っています。環境意識×節約×スタイルが交差するサステナブルファッションの実態を解説します。
この記事の日本円換算は、1USD≒157円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
週末の朝、郊外の商業施設の一角にあるGoodwillに入ると、10代から80代まで幅広い人々が古着のラックを眺めている。
アメリカの中古店(Thrift Store)文化は、「貧しいから中古を買う」というものではなくなって久しい。
スリフトストアとは
Goodwill(グッドウィル)、Salvation Army(サルベーション・アーミー)は全米に展開する非営利の中古品チェーンだ。寄付された衣料・家具・家電・食器などを低価格で販売し、収益の一部を就労支援プログラム等に充てる。
価格は衣料品なら数ドル〜数十ドル程度が中心。ブランド品が紛れていることもあり、「掘り出し物を探す」という楽しみがある。
ジェネレーションZが牽引する再評価
従来は「低所得者の選択肢」というイメージが強かったスリフトストアが、2010年代後半以降、若い世代の間でトレンドになった。
「Thrift Flipping(スリフトフリッピング)」——安く買った中古品を改造・スタイリングしてSNSに投稿するコンテンツが人気を呼んだ。「同じものを誰も持っていない服」という独自性、環境負荷への意識、節約——これらが重なった。
Macklemoreの2012年のヒット曲「Thrift Shop」は、中古ショッピングをスタイルとして肯定的に描いたことで文化的転換点のひとつとなった。
オンライン中古市場の成長
スリフトストアだけでなく、ThredUp(スレッドアップ)、Poshmark(ポッシュマーク)、Depop(デポップ)といったオンライン中古ファッションプラットフォームが急成長している。
自宅の不用品をスマートフォンで撮影してアプリに出品、売れたら郵送——このモデルは在宅でもできるサイドビジネスとして人気だ。
「ファスト・ファッション」への対抗軸
H&M、Zara、SHEINといったファストファッションへの環境・労働問題からの批判と、中古市場の成長は関連している。「買うより借りる」「新品より中古」という価値観が、消費文化の一部を変えつつある。
在住者として
アメリカ生活で家具・家電を一から揃えるとき、スリフトストアは現実的な節約手段だ。家具は新品価格の数分の一で手に入ることもある。コンディションを確認しながら探す楽しみも悪くない。
Goodwillのウェブサイト(shopgoodwill.com)ではオンラインオークションも行っており、希少品が安く落札できることがある。