ベトナムの銀行口座開設——VND口座とUSD口座の使い分け
ベトナムで銀行口座を開設する方法、VND口座とUSD口座の違い、外国人が選ぶべき銀行、必要書類、オンラインバンキングの実態まで。在住者の実用ガイド。
この記事の日本円換算は、1USD≒155円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
ベトナムの銀行口座は「VND(ベトナムドン)口座」と「USD口座」の2種類を持てる——これを知らずに渡航する日本人が意外と多い。そして、この2つの使い分けが生活コストに直結します。
外国人が口座を開設できる条件
ベトナム国家銀行(State Bank of Vietnam)の規定では、以下のいずれかを持つ外国人が銀行口座を開設できます。
- 有効な労働許可証(Work Permit)
- 一時滞在許可証(Temporary Residence Card)
- 3ヶ月以上有効なビザ
観光ビザ(30日)や短期ビジネスビザでは口座開設できません。労働許可証と一時滞在許可証を取得するまでの期間は、給与を現金で受け取るか、日本の口座に振り込んでもらう形になります。
必要書類
必要なのはパスポート原本、労働許可証または一時滞在許可証、ベトナムの携帯電話番号(SMS認証用)、住所確認書類(賃貸契約書等)。銀行によっては雇用主からの紹介状を求められることがあります。
VND口座とUSD口座
ベトナムでは外国人でも複数通貨の口座を同一銀行内に開設できます。
VND口座: 日常生活の決済用。家賃、電気・水道代、食費など全てVNDで支払います。給与もVNDで支給されるのが一般的です。
USD口座: 海外送金や資産保全に使います。ベトナムドンは年間2〜4%のペースで緩やかに下落する傾向があり、長期在住者はUSD口座に一定額をプールしておくことがあります。ただし、VNDからUSDへの両替には銀行の公示レートが適用され、市場レートより不利になることが多い点に注意が必要です。
外国人に使われている銀行
在住日本人の間でよく名前が挙がるのは以下の銀行です。
Vietcombank(ベトコムバンク): ベトナム最大の国営商業銀行。外国人口座の取り扱い実績が豊富で、英語対応の窓口がある支店もあります。
Techcombank(テクコムバンク): アプリの操作性が良く、オンラインバンキングが英語対応。若い在住者に利用者が多い。
BIDV: 国営銀行の一つ。支店数が多く地方でも使いやすいが、英語対応にムラがあります。
口座維持手数料は月50,000〜100,000VND(約USD 2〜4、約310〜620円)程度。無料の銀行もあります。
オンラインバンキングの実態
2020年代に入り、ベトナムのモバイルバンキングは急速に進化しました。VietcombankのVCB Digibank、TechcombankのTcb appなど、主要銀行はスマホアプリを提供しています。
ベトナム国内のVND送金はほぼ即時。QRコード決済も普及しており、街中のコーヒーショップから屋台まで対応しています。ただし、英語表示に切り替えても一部メニューがベトナム語のままだったり、エラーメッセージが全てベトナム語だったりすることはあります。
海外送金
ベトナムから日本への送金は、銀行の窓口で手続きします。送金手数料はUSD 10〜30(約1,550〜4,650円)程度。着金まで2〜5営業日が目安です。
WiseやPayoneerなどの海外送金サービスを併用する在住者も増えています。銀行送金よりレートが有利なケースが多いですが、ベトナム側の規制でVNDの直接送金に対応していない場合があり、USD口座経由で送るなどの工夫が必要になることがあります。
給与をVND口座で受け取り、生活費を差し引いた余剰をUSD口座に移し、まとまった額になったら日本に送金する。在住者の多くが行き着くのがこの運用パターンです。