ベトナムのデジタルノマド事情——ホーチミン・ダナンはどこまで「働ける場所」か
ベトナムはデジタルノマドの人気渡航先の上位に入る。安い物価・高速WiFi・カフェ文化が揃っているが、ビザの就労許可問題とインターネット速度の地域差は理解しておく必要がある。
この記事の日本円換算は、1USD≒157円で計算しています(2026年5月時点)。為替は変動するので、現地通貨の金額を基準にしてください。
Nomad Listというデジタルノマドの評価サイトでは、ベトナムの複数都市が上位にランクインすることがある。安い物価、高速WiFi、多様な食事、暖かい気候——リモートワーカーが求める要素が揃っている。
ただし「住みやすいノマド地」と「合法的に長期滞在できる地」の間にはギャップがある。
ベトナムのビザとノマドの現実
2026年時点でベトナムには専用の「デジタルノマドビザ」は存在しない。観光客向けのEビザ(最長90日)を使うノマドが多いが、厳密には就労(海外クライアントへの業務提供も含む)はビザ条件に違反する可能性がある。
実態として摘発は少ないが、「法的にグレーな状態で滞在している」という認識は必要だ。90日ごとに隣国(タイ・カンボジア等)に出てビザを更新するという「ビザラン」を続けるノマドもいる。
主要拠点の特徴
ホーチミンシティ(HCMC):最大都市。コワーキングスペースが多く(Base Camp、Toong等)、WiFiは高速。物価はアジアのノマド都市の中でも安い部類。District 2〜3のカフェはノマド利用者が多い。
ダナン:海沿いの中規模都市。ホーチミンより静かで物価がさらに安い。「ダナンに来た人はここを去れない」という在住者の言葉が示すように、居心地の良さで長期滞在者が増えている。
ハノイ:文化・歴史の街。カフェ文化はホーチミンと双璧。旧市街の路地裏カフェで仕事する体験は独特だ。冬は寒く霞んだ空気になることが多い。
コワーキングスペースの費用
月額コワーキングの費用はホーチミンで100〜250USD(約15,700〜39,250円)程度。ダナンはさらに安く、50〜150USD程度で使えるスペースもある。
カフェでの作業は1時間あたり30,000〜80,000VNDのコーヒー代のみで使えるため、多くのノマドはカフェとコワーキングを組み合わせている。
ベトナムはノマドとしての「居心地」は優秀だが、「長く住む法的安定性」は課題として残る。その点を割り切れるなら、アジアで最も費用対効果の高いノマド拠点の一つだ。