ベトナム映画が面白くなっている——国産映画の台頭とホラー・コメディの人気
2010年代以降、ベトナムの国産映画産業が急成長している。ホラー・ロマンコメディ・アクション——どんな映画が若い観客を集め、何がベトナム映画を変えたのか。
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「ベトナムで映画館に行く」ことが、若い世代の一般的な娯楽になってきた。そしてその映画館で上映されているのは、ハリウッド映画だけではない。
ベトナム産の映画がヒットしている。
国産映画市場の拡大
ベトナムの映画市場は2010年代から急成長している。映画館スクリーン数の増加・中産階級の外食・娯楽支出の増加・スマートフォン世代の映画消費——これらが重なって、映画産業への投資が活発になった。
ベトナム産映画の国内興行収入ランキングでは、ハリウッド映画に伍して国産作品がトップに入るケースが増えてきた(映画産業関連報告より推定)。
ホラー映画の人気
ベトナムの映画市場でジャンルとして確立したのがホラーだ。ベトナムの民間信仰・幽霊観・呪いの伝承を題材にしたホラー映画は、若い観客に人気が高い。
「Bắc Kim Thang(バック・キム・タン)」「Lật Mặt(ラット・マット)」シリーズなど、国産映画がシリーズ展開・大ヒットを記録する事例が出てきた。
コメディとロマコメ
若い世代向けのロマンティックコメディも人気ジャンルのひとつだ。現代のホーチミン・ハノイを舞台にした恋愛・職場・家族の物語は、若者が「共感できる日常」を映画で確認する場として機能している。
在外ベトナム人コミュニティとの接続
アメリカ・フランス・オーストラリアなどに住むベトナム系移民(Việt kiều)が制作・出資した映画も増えている。「海外で育ったベトナム人の視点から見たベトナム」という題材が、国内外の観客に新鮮な切り口を提供している。
日本人が映画で見るベトナム
日本語字幕がないため在住日本人が現地の映画を楽しむのは難しい面もあるが、「何が映画でウケているか」を知ることは、ベトナム社会の「今」を理解する手がかりになる。
映画の中のホーチミン・ハノイの街の映像は、日常で見ているのと同じ場所だ。だからこそ、言語がわからなくても「あ、あそこだ」という発見がある。