ベトナムの電動バイク革命:VinFastが牽引する交通転換の現在地
ガソリンバイク大国ベトナムで急速に進む電動バイクへの転換。VinFastの台頭・充電インフラ・排気ガス規制と、在住者が乗り換えを考える際の判断材料を解説。
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ベトナムには約7,000万台以上のバイク(オートバイ・スクーター)が登録されている。全国の交通手段の根幹をバイクが担う「バイク社会」であることはよく知られているが、そのバイクが急速に電動化されつつある。
ベトナム国有企業を母体に生まれたVinFast(ビンファスト)が電動スクーターを大量投入し、2020年代以降のベトナム都市部では電動スクーターの比率が急上昇している。
VinFastの戦略
VinFastはベトナム最大規模の民間複合企業・Vingroup傘下で設立された自動車・EV企業だ。電動スクーター(VFe34シリーズ等)の価格帯は$800〜$2,500程度で、ガソリンバイクと大きくは変わらない。
VinFastは充電スタンドをベトナム全国に設置する戦略を取っており、「インフラを先に整備する」アプローチで市場拡大を図っている。2023年時点でベトナム国内に数千カ所以上の充電ポイントがあるとされる。
ユーザーの現実的な感想
在住外国人・ローカルユーザーの声を聞くと、「街乗りには十分」「充電場所を気にせず走れる距離が増えた」という評価がある。一方で「長距離(200km超え)は不安」「バッテリー交換費用が高い(バッテリーリースモデルもある)」という懸念も聞く。
日本のバイク(ホンダ・ヤマハ・スズキ)はベトナムでも圧倒的なブランド力を持ち、信頼性の面では電動バイクへの完全移行に懸念を示す層も多い。
政府の排ガス規制
ハノイ・ホーチミン市は慢性的な大気汚染に悩んでいる。ハノイ市は2030年までにガソリンバイクを市内中心部から締め出す方針を表明している(時期・詳細は変更可能性がある)。この規制が電動化の大きな後押しになっている。
在住者が電動バイクを使う場合
短期滞在者・観光客であれば、電動バイクレンタルはホーチミン・ハノイで増えている。1日$5〜$15程度でレンタルでき、街中を自由に移動できる。
長期在住者でバイクを購入する場合、VinFastの電動スクーターはコスパが良く、ガソリン代がかからない分の経済メリットは実感できる。ただし外国人が二輪車を取得する際の手続き(ライセンス・登録)は確認が必要だ。