ベトナム在住外国人の医療保険と病院事情
ベトナムに住む外国人が知っておくべき医療保険の種類、日系クリニックの実態、緊急時の医療搬送まで。駐在員・現地採用・フリーランス別の対策を解説します。
この記事の日本円換算は、1VND≒0.006円(10,000VND≒60円)で計算しています(2026年4月時点)。
ベトナムで体調を崩したとき、「どこの病院に行けばいい?」が一番困る問いになる。公立病院は安いが外国語対応がほぼなく、外国人向けクリニックは高い。保険なしで入院が必要な事態になると、費用が一気に数百万円規模になることもある。
外国人向け医療の選択肢
日系・国際クリニック(外来) ホーチミンではFamily Medical Practice、FV Hospital(仏系)、Cho Ray国際棟、Tokyo Medical Center(HCMC)などが外国人の選択肢になる。日本語対応があるのはTokyo Medical CenterとJapan Healthcare Vietnam(ハノイ)など一部に限られる。
外来の診察費は200万〜400万VND(12,000〜24,000円)程度が目安。血液検査や画像診断が加わると500万VND(3万円)を超えることも珍しくない。
公立病院 診察費は安い(数十万VND)が、外国語対応がほとんどなく、混雑も激しい。軽症で費用を抑えたい場合の選択肢になるが、通訳を連れていくかベトナム語話者の助けが必要だ。
保険の種類と選び方
駐在員
会社が加入している企業保険(国際保険)でカバーされるケースが多い。AIA、Bupa、Cignaなどの国際医療保険が一般的。保険証を持参すれば外国人クリニックでのキャッシュレス対応も可能なことが多い。
自分の保険の補償内容(緊急搬送・入院・外来・歯科)と限度額を事前に確認しておくこと。年間補償限度額が低い場合は追加加入も検討する価値がある。
現地採用・ローカル雇用
雇用契約に社会保険(Bao Hiem Xa Hoi)への加入義務があるが、外国人の場合は適用範囲が限定的。雇用主が提供する民間保険があるかどうかを契約前に確認する必要がある。
フリーランス・個人
個人で国際医療保険に加入する。Pacific Cross、CIGNA、AXAなどが外国人個人向けプランを提供している。年齢・補償内容によるが、年間20万〜50万円程度の保険料が目安。
緊急時の医療搬送
ベトナム国内では対応が難しい高度医療が必要な場合、シンガポールや日本への医療搬送が現実の選択肢になる。搬送費用は数百万円規模(日本との往復チャーター機は500万円以上のケースもある)。
「緊急搬送補償」が含まれているかどうかは保険加入時の重要チェックポイントだ。パッケージ旅行保険や廉価プランには含まれていないことが多い。
常備薬について
日本からの常備薬持参を勧める。ベトナムの薬局は処方箋なしで薬が買えることも多いが、品質管理や成分の違いがある。胃腸薬・解熱剤・アレルギー薬・虫刺され薬は日本から多めに持ってくるのが定番の備えだ。
健康保険の全容を理解せずに渡航することが最大のリスクになる。加入している保険の保険証番号と緊急連絡先は、スマートフォンのメモとプリントアウトの両方で持っておきたい。