ベトナムの日本人コミュニティ:ハノイとホーチミンで異なる在住者の顔
ベトナム在住日本人約1万4,000人のコミュニティ実態。ハノイの製造業駐在員とホーチミンの起業家・フリーランスの違い、情報源・集住エリアを解説。
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ベトナム在住の日本人は外務省統計(2023年)によると約1万4,000人程度だ。シンガポール・タイ・オーストラリアと比べると数は少ないが、2010年代以降の製造業シフトと個人移住者の増加で着実に増えてきた。
ハノイ:製造業駐在員が中心
ハノイとその周辺(ビンフック省・バクニン省・ハナム省等の工業団地)は日系製造業の拠点だ。トヨタ・本田・住友電工など大手メーカーの現地法人・サプライヤーが集まり、家族帯同の駐在員が多い。
ハノイ市内ではタイホー区(西湖周辺)が日本人居住の集中エリアで、日本語対応のスーパー・クリニック・飲食店が揃っている。「日本語圏の中に住む」感覚で生活が完結する環境だ。
ホーチミン:多様な在住者層
ホーチミン(旧サイゴン)はより多様な在住者層を持つ。製造業駐在員はもちろん、IT起業家・フリーランス・語学教師・飲食業オーナーと職種が幅広い。
日本人が集まるエリアはビンタン区(Binh Thanh)の高台エリアやフーニュアン区(Phu Nhuan)、そして外国人全般が多いディストリクト2(Thủ Đức市内)だ。日本食レストランはホーチミン市内に200店以上あると言われ、「何を食べようか迷う」くらいの選択肢がある。
コミュニティへの関わり方
FacebookグループやLINEオープンチャットが主な情報交換の場。「ホーチミン日本人情報交換」「ハノイ日本人グループ」などは数千人規模のものがある。
また「ベトジャパ(VietJapan)」などのウェブメディアや、商工会議所(日本商工会)が発行するニュースレターも情報源として活用されている。
フリーランス・個人移住者の増加
近年、デジタルノマド・フリーランス・リモートワーカーとしてベトナムに来る日本人が増えている。生活費がタイやバリより安く(月額$700〜$1,200で普通に暮らせる)、Wi-Fi環境が整ったカフェが豊富なことが理由だ。
長期滞在ビザの整備がまだ不完全で、「毎月近隣国に出て再入国する」という方法を取る人も一定数いる。ベトナムの在留管理が厳しくなった場合のリスクを頭に置きながら動いている人が多い。