Kaigaijin
海外在住日本人のメディア
文化・観光

ハノイ旧市街(36通り)——商人文化と歴史的街並み

ハノイ旧市街「36通り」は、今も職種別に通りが分かれる商人文化の生きた博物館。在住日本人が知っておきたい歴史と歩き方を紹介します。

2026-04-27
ハノイ旧市街ベトナム文化観光歴史

この記事の日本円換算は、1VND≒0.006円で計算しています(2026年4月時点)。

ハノイの旧市街、通称「36通り(フォー・コー)」は、1000年以上続く商人街の名残だ。現代のショッピングモールとは根本的に異なる論理でできている街——同じ職種の店が一本の通りに軒を連ねる、ギルド型の都市構造が今でも機能している。

36通りの成り立ち

「36通り」という名称は象徴的な数字で、実際には60本以上の路地が交差する。15世紀、陶器職人・鍛冶職人・絹織り職人たちが職種ごとに集まり住み着いたことが起源とされる。各通りの名前にはその痕跡が残っている。Hàng Đào(絹通り)、Hàng Bạc(銀通り)、Hàng Thiếc(ブリキ通り)——漢字で書けば「貨絹」「貨銀」「貨錫」に相当する。

現在も通りによって扱う商品の傾向がある程度残っており、Hàng Mã(紙製品・祭礼用品)はベトナムの伝統的な冥銭や飾り物を扱う店が集まり、旧正月(テト)前には極彩色の装飾で通り全体が埋まる。

在住者の視点から

観光客向けのガイドブックではなく、在住者として旧市街を歩くと見えてくるものがある。朝6時ごろの旧市街は観光モードではなく、生活者の顔をしている。ローカルの弁当屋が路上に広がり、バインミー(バゲットサンドイッチ)を買う人々の列ができる。ブン・ボー(牛肉のフォー系スープ)を15,000〜25,000VND(約90〜150円)で食べられる屋台も多い。

夕方以降はバーや観光客向けの店が賑わうが、ホアンキエム湖の夜景と合わせて歩ける範囲に全部収まっているのが旧市街の便利さでもある。

注意点

旧市街のホテルは外観がコロニアル風でも、実際は縦に細長い「チューブハウス」構造のことが多い。1階が狭く奥に長い、ベトナム独特の建築様式だ。土地税が間口の幅に課税されていた歴史的経緯によるもので、これも商人文化の産物といえる。

観光客の多い週末はバイクと人で通りが飽和する。地元の感覚で歩くなら平日の午前中が静かで快適だ。

コメント

読み込み中...