ホイアン旧市街——観光と在住の間で
世界遺産ホイアンの旧市街。観光地としての華やかさと、実際に住む人の目線から見えるリアルな日常。ダナン在住者やベトナム在住者が週末に訪れる街の実態を伝えます。
この記事の日本円換算は、1VND≒0.006円で計算しています(2026年4月時点)。
ランタンの光、テーラーの呼び込み、夜の川に浮かぶキャンドル——ホイアンの旧市街は、ベトナムで最も「絵になる」場所のひとつです。ただ、ダナンや近隣に住む日本人がここを訪れると、観光客とは少し違う景色が見えてきます。
旧市街の今
ホイアン旧市街(ホイアン古都)は1999年にUNESCO世界遺産に登録されました。日本橋(来遠橋)を中心に、江戸時代に日本人町があった区画が残っており、日本人にとって不思議な親近感があります。
観光は順調に回復しています。2024年のホイアン市への訪問者数は約480万人(ホイアン市観光局発表)。そのうち外国人が約半数を占めます。
旧市街のメインストリートにある飲食店・土産物店の多くは外国人向け価格設定です。ベトナム料理ひとつにしても、旧市街内と旧市街外では価格差が2〜3倍になることがあります。カオ・ラウ(ホイアン名物の麺)は旧市街内で45,000〜70,000VND(270〜420円)、旧市街外の地元食堂では25,000〜35,000VND(150〜210円)程度が目安です。
在住者目線の楽しみ方
ダナン在住の日本人の多くは、週末日帰りでホイアンを訪れます。ダナン市内からタクシーで約30〜40分、Grabなら片道160,000〜200,000VND(960〜1,200円)程度です。
旧市街観光チケット(世界遺産観光料)は1人120,000VND(720円)で、旧市街内の5か所の史跡に入場できます。毎月旧暦14日の夜(満月の夜)には「ランタン祭り」が開催され、旧市街内の電灯が消えてランタンだけで照らされます。これは観光客向けイベントではなく、地元の伝統行事です。
在住者が好む場所は、旧市街から徒歩15〜20分のAn Bang Beach(アンバン・ビーチ)。観光客に混雑したクアダイ・ビーチより静かで、地元のカフェや海辺のレストランが点在しています。
テーラーの現実
ホイアンといえばオーダーメイドの洋服。24時間仕立てを謳う店も多く、スーツ・ドレス・コピー品まで揃います。品質は店によって差が大きく、安い店で1セット300,000VND(1,800円)前後から、信頼できる店で2,000,000〜3,000,000VND(12,000〜18,000円)程度まで幅があります。
在住者の間では「旧市街外の住宅街にある地元向けテーラー」を使う人もいます。英語対応は限定的ですが、価格は旧市街の半分以下になることがほとんどです。
雨季に注意
ホイアンは10〜11月が雨季のピークで、旧市街が浸水することがあります。2020年の台風13号では旧市街の一部が1メートル近く浸水し、歴史的建造物に被害が出ました。9〜12月に訪れる場合は、天気予報と旧市街の浸水情報を確認しておく必要があります。
観光の街として整備されたホイアンですが、少し路地に入ると洗濯物を干した地元の暮らしが続いています。旧市街の外側まで足を伸ばすと、観光パンフレットとは違うホイアンに出会えます。