個人ガイドという仕事——ベトナムの観光産業と「案内人」の現実
ベトナムには公認ガイドと非公認ガイドが混在する。観光客の増加で成長する一方で、低賃金・オフシーズンの収入不安定・言語競争が続く個人ガイドの世界を探る。
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ハノイの旧市街を歩いていると、「どこか案内しようか?」と話しかけてくる人がいる。
公認の観光ガイドから、英語を学んで副業としてガイドをしている学生まで、「案内人」の層は多様だ。
ベトナムの観光産業規模
コロナ禍前の2019年、ベトナムへの外国人観光客数は1,800万人近くに達した(ベトナム観光総局のデータより)。その後の回復とともに観光産業は再び拡大している。
観光収入はGDPに占める割合が大きく、政府も観光振興に力を入れている。
公認ガイドの資格
ベトナムでは「国家観光ガイド証(Thẻ hướng dẫn viên du lịch)」が存在し、観光ガイドとして正式に活動するには取得が必要だ。試験は外国語・文化・法律等の知識を問う(観光局の規定より)。
ただし現実には資格なしに観光客を案内する「インフォーマルガイド」も多く、規制との摩擦は続いている。
日本語ガイドの需要
日本からのベトナム観光客は一定数おり、日本語ガイドへの需要は安定している。
日本語ができる大学生・卒業生が日本語ガイドとして副業を行うケースがある。日本語力+観光知識の組み合わせが評価され、収入は英語専門より高くなることも多い(需給バランスによる)。
収入の不安定さ
観光ガイドの収入はオンシーズン・オフシーズンで大きく差が出る。乾季(ホーチミン)や避暑期(ダナン)には仕事が多いが、雨季・閑散期には収入が激減する。
ツアー料金に対してガイドの報酬は割合として低いことが多く、チップへの依存も大きい。日本人観光客はチップ文化が薄いため、チップ収入が期待しにくいという声もある(在住経験者より)。
在住外国人とガイドの関係
ベトナムに住んでいると、「新しく来た友人や家族のために案内する」という立場を経験することがある。
「私がガイドする」という自然な経験を積む中で、「どこを見せればベトナムが伝わるか」を考えるのは、在住を深める作業でもある。