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文化・社会構造の分析

廃品回収業者が作るリサイクル経済——ベトナムの循環型経済の裏側

ベトナムの街を歩くと「廃品回収!」と叫びながら自転車で回る人に会う。政府のリサイクルシステムが整っていない中で、インフォーマルな廃品回収業者が都市のリサイクルを担っている実態を見る。

2026-06-16
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「Đồng nát ơi!(廃品回収〜!)」——ベトナムの住宅街で、このスピーカーの声を聞いたことがある人は多い。

自転車やバイクに積んだ荷台を引きながら、古い家電・金属・段ボール・空き缶を買い取って回る「廃品回収業者(đồng nát/ve chai)」だ。

誰が廃品回収をしているか

廃品回収業者は、農村から出てきた女性・高齢者・貧困層が多いとされる(NGO・研究者の観察より)。正規雇用に就きにくい人々にとって、低い資本(自転車・天秤棒)で始められるインフォーマルな仕事だ。

「学歴・資格・コネなしで始められる仕事」として、新参移住者にとっての入り口になることがある。

何が取引されるか

廃品回収業者が集めるのは、主に金属(アルミ・銅・スチール)・電子基板・紙・段ボール・プラスチック・ガラス瓶などだ。これらをリサイクル業者・中間業者に売ることで収入を得る。

価格は素材の種類・世界市場の相場によって変動し、電子廃棄物(金・銀・レアメタルを含む基板)は高値がつく。

非公式リサイクルの規模

政府の公式リサイクルシステムがほとんど機能していない中で、インフォーマルな廃品回収業者がベトナムの都市の「実質的なリサイクルシステム」を担っているという指摘がある(環境NGO・大学研究より)。

彼らがいなければ、多くの金属・紙・電子廃棄物は埋め立て地に送られていた。

電子廃棄物と健康リスク

電子廃棄物(e-waste)の分解・リサイクルは有害物質を伴い、安全装備なしに作業する業者の健康リスクが問題になっている(国際環境NGOの報告より)。

「廃品として売れる」という経済的動機が、「分解するリスク」への意識より優先されやすい構造がある。

外国人在住者として

ベトナムに住んでいると、不要になった家具・電化製品の処分方法を考える場面がある。廃品回収業者に引き取ってもらうのは現実的な選択肢で、「物を捨てるより価値に変える」文化との接点になる。

「この人が回収したアルミが何に生まれ変わるか」——そこまで想像すると、都市の物質の流れが少し見えてくる。

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