ベトナムの外国人所得税——183日ルールと税率の仕組みを整理する
ベトナムでは年間183日以上滞在すると「居住者」として所得税の申告義務が生じる。累進課税で最高35%の税率、二重課税防止協定の適用方法を解説。
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「ベトナムは税率が低い」というイメージを持って移住すると、申告時期に驚くことがある。ベトナムの個人所得税は最高35%の累進課税で、高収入層には重い負担になる。日本との二重課税防止協定(租税条約)が適用されるため両方で課税されることは原則ないが、申告手続きは自分で理解する必要がある。
居住者と非居住者
居住者(Tax Resident):暦年(1月〜12月)で183日以上ベトナムに滞在した場合。または定常的な住居(アパート賃貸等)を持つ場合。
- ベトナム源泉収入・国外源泉収入ともに課税対象
- 累進税率5〜35%
非居住者:183日未満の場合。
- ベトナム源泉収入のみ課税
- 一律20%の税率
累進税率の構造(居住者)
月収200万VND(約122USD)以下:5% 〜500万VND:10% 〜1,000万VND:15% 〜1,800万VND:20% 〜3,200万VND:25% 〜5,200万VND:30% 5,200万VND超:35%
高収入の外国人専門職は最高税率(35%)が適用されることが多い。
社会保険との関係
ベトナムで雇用されている外国人は、2022年以降、社会保険の加入義務が生じている(雇用主と従業員が分担)。これはコストとして認識しておく必要がある。
確定申告の実務
雇用されている場合は会社が源泉徴収するが、最終的な確定申告(PIT Finalisation)は個人でも行う必要がある。3月31日が申告期限(暦年の翌年)。
会計士・税理士(多くの外国人向け会計事務所が英語・日本語対応)に依頼する人が多く、費用は年間200〜500USD程度が目安だ。
日本とベトナムの租税条約は1995年に発効しており、どちらで課税されるかの判断には二国間の合意に基づくルールが適用される。確定申告の前に税理士への相談を推奨する。