テト(旧正月)は街が止まる——在住外国人が知っておくべき影響と備え方
ベトナムの最大行事・テトは1週間以上、都市機能がほぼ停止する。飲食店・銀行・移動手段への影響と、外国人としての賢い乗り越え方を具体的に解説。
この記事の日本円換算は、1VND≒0.006円で計算しています(2026年4月時点)。
テトの1週間前、ホーチミンのスーパーから生鮮食品が消えた。棚はほぼ空。レジには普段の3倍の列。何も知らずに移住した1年目は、完全に出遅れた。
テトとは何か
テト(Tết Nguyên Đán)は旧暦の正月で、毎年1月末〜2月初旬に訪れます。2026年は1月29日が元日でした。ベトナム人にとって、日本の正月・お盆・GWを合わせたほどの意味を持つ最大の行事です。
公式の休暇は5〜7日間ですが、実態は前後を含めて10日以上にわたります。地方出身者が多い都市部では、その期間に人口の3〜4割が故郷に帰省します。
街で何が起きるか
飲食店: ローカルレストランの7〜8割が閉店します。営業しているのは主に外資系・観光客向けの店のみ。普段300,000VND(約1,800円)で食べていた定食が、テト期間中は見つからない、という状況になります。
銀行・行政: 銀行窓口は公式休業。ATMは稼働していますが、現金引き出しが集中して一時的に空になるケースもあります。ビザ更新・各種手続きは休業期間を挟まないよう、1ヶ月前から逆算して動くのが鉄則です。
移動: テト前後の数日間は国内線・バスが完全に満席になります。料金は通常期の2〜3倍になることも珍しくありません。移動予定がある場合は2ヶ月前には押さえておく必要があります。
バイク修理・日用品: 街の修理屋や小規模店舗も軒並み閉まります。テト中にバイクが故障すると、開いている修理屋を探すだけで半日かかることもあります。
外国人として何を準備するか
食料の備蓄: テト前の1週間で、最低1週間分の食材を確保します。乾麺・缶詰・冷凍食品が実用的です。
現金の確保: クレジットカードが使えない店や、ATMが空になるリスクに備えて、テト前に手元現金を厚めに持っておきます。2,000,000〜3,000,000VND(約12,000〜18,000円)程度が目安です。
業者への事前発注: ガス・水道・電気のトラブルは急に発生します。修理業者の連絡先を事前に確保し、テト前に問題がないか確認しておくと安心です。
テトをポジティブに使う
閑散とした街は、見方を変えると静寂の観光地です。普段は渋滞でしか知らないホーチミン市内を、バイクなしで歩き回れる数少ない機会でもあります。花市場(Chợ hoa)は街に活気があって見応えがあり、テト前夜の花火(ハノイはホアン・キエム湖周辺など)は現地文化を体感できる場です。
また、ベトナム人の同僚や友人を通じてテトの食卓に招待されることがあれば、ぜひ参加するといいでしょう。バインチュン(もち米の餅)、ジャム菓子(Mứt)などのテト料理は、この時期にしか食べられないものです。