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ベトナムコーヒー文化——ca phe trung(エッグコーヒー)からca phe sodaまで

世界第2位のコーヒー生産国ベトナム。エッグコーヒー、練乳コーヒー、塩コーヒーなど独自の飲み方と、在住者が日常的に使うカフェ文化を紹介します。

2026-04-19
コーヒーカフェ食文化ベトナム文化

この記事の日本円換算は、1VND≒0.006円(10,000VND≒60円)で計算しています(2026年4月時点)。

ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国だ(国際コーヒー機関ICA統計、2023年)。主力はロブスタ種で、アラビカ種が主流の欧米・日本とは味の方向性がまるで違う。苦味が強く、コクが深い。これを現地の飲み方で体験すると、日本でのコーヒーの概念が少し揺らぐかもしれない。

ca phe trung——ハノイ発のエッグコーヒー

ca phe trung(カフェ・チュン)は卵黄と練乳を泡立てたクリームをコーヒーの上に乗せたもの。発祥はハノイで、1940年代に牛乳の代替として生まれたとされる。

温かいものは小さなグラスをお湯の入った椀の中に入れて保温して提供される。スプーンで上のクリームとコーヒーを混ぜながら飲む。甘さと苦さが交互にくる独特のバランスで、初めて飲む人の反応は「デザートみたい」が多い。ハノイの老舗Cafe Giang発祥で、今はホーチミンの各所でも飲める。価格は5万〜8万VND(300〜480円)程度。

ca phe sua da——練乳アイスコーヒー

在住者が日常的に飲むのはca phe sua da(カフェ・スア・ダー)だ。フィルター式の濃いコーヒーに練乳を入れ、大量の氷で冷やしたもの。

路上の小さな椅子に座って飲む2万VND(120円)の一杯が、ホーチミンの日常をいちばんよく表している気がする。甘さは練乳の量で調整するのが本来のスタイルで、多くの店は「it duong(砂糖少なめ)」にも対応してくれる。

ca phe muoi——フエ発の塩コーヒー

フエ(中部)が発祥のca phe muoi(カフェ・ムオイ)は、少量の塩を入れたコーヒー。塩が苦味を抑えてまろやかにする効果があり、フエ在住者の間では日常的な飲み物だ。ホーチミンでも専門店や一部カフェで提供しているが、まだ珍しい部類。

ca phe soda——ソーダ割り

ca phe soda(カフェ・ソーダ)は見た目のインパクトが強い。濃縮コーヒーに炭酸水を注いでかき混ぜる。エスプレッソソーダのようなもので、暑い季節にすっきり飲める。練乳を少量加えるバリエーションも多い。価格は3万〜5万VND(180〜300円)。

カフェ文化——長居が前提の空間

ベトナムのカフェは長居前提の設計になっている。コンセント完備、WiFi無料、注文は一杯でも2〜3時間居ていい空気感がある。フリーランサーや学生が朝から晩まで作業している光景は日常だ。

在住者はHighlands Coffee(チェーン、価格帯: 4万〜7万VND)やCong Caphe(インドシナ雰囲気の内装が人気)、地元の名前もない路上カフェを使い分けながら生活している。

コーヒー1杯の価格差は約10倍あるが、どちらも「ありの文化」があるのがベトナムらしい。値段で体験をランク付けしない。

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