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お金・税金

GSTとBAS申告(フリーランス・ABN保持者向け)

ABNを取得してフリーランスや副業をしている人向け。GSTの仕組みとBAS申告の流れを具体的に解説する。

2026-04-14
GSTBASABNフリーランス税金申告

この記事の日本円換算は、1AUD≒95円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(AUD)の金額を基準にしてください。

ABNを取得してフリーランスや副業を始めると、必ず直面するのがGSTとBAS申告だ。最初は「何を申告すればいいのか」が分かりにくいが、構造を理解すれば手順はシンプルになる。

ABNとGSTの基本

ABN(Australian Business Number): オーストラリアでビジネスを行う事業者に付与される11桁の番号。フリーランスが請求書を発行したり、クライアントから報酬を受け取るために必要。ABN登録はATOのサイトから無料でできる。

GST(Goods and Services Tax): 財・サービスに10%かかる消費税。年間売上がAUD 75,000以上になった場合、またはタクシー・Uberドライバーの場合は、GSTへの登録が義務。

年間売上AUD 75,000未満の場合: GST登録は任意。登録しない場合は請求書にGSTを含めず、BAS申告も不要(ただし税務申告自体は必要)。

フリーランスを始めたばかりで年収が低い段階では、GST未登録でも問題ない。ただしIT・クリエイティブ系など一定規模に成長したら早めに登録を検討する。

GSTの仕組み:収受と支払いの差額

GSTの基本構造は「収受したGSTから、支払ったGSTを引いた差額をATOに納付する」というもの。

例:

  • クライアントへの請求: AUD 5,500(AUD 5,000 + GST AUD 500)
  • ソフトウェア購入: AUD 110(AUD 100 + GST AUD 10)
  • 納付額: AUD 500 - AUD 10 = AUD 490

事業上の経費にかかったGSTは「Input Tax Credit(ITC)」として差し引ける。これがGSTを登録するメリットの一つ。経費が多いフリーランスは、実質的なGST負担が小さくなる。

BAS(Business Activity Statement)とは

GSTやPAYG(源泉徴収)をATOに申告・納付するための申告書。GST登録をしていると、定期的にBASを提出する義務が生じる。

申告頻度:

  • 年間売上AUD 20,000,000未満の小規模事業者は原則として四半期ごと(3ヶ月に1回)
  • ATOから届く通知に申告期限が記載される(通常、四半期終了後の28日以内)

申告する内容:

  • G1: 売上合計(GST込み)
  • G2: GSTがかからない売上(Export等)
  • G10: 仕入れ・経費合計(GST込み)
  • 1A: 納付するGST額(G1 × 1/11 - G10 × 1/11)

BAS申告の手順

1. MyGovアカウントにATOを連携する ATOのOnline Services for Businessからも提出できるが、MyGovが使いやすい。

2. 会計ソフトで数字を整理する XERO・MYOB・QuickBooksなどはオーストラリアのGST計算に対応しており、BASレポートを自動生成してくれる。年間AUD 15〜30/月程度のコスト。フリーランスならXeroのSimplest plan(AUD 15/月)で十分なことが多い。

3. BAS提出と納付 提出はMyGovまたは税理士経由。納付はBPAY・クレジットカード・銀行振込で対応。

経費として計上できるもの

事業に直接関係する経費はGST控除と所得税控除の両方を受けられる。

  • ソフトウェア・SaaSサブスクリプション
  • 仕事用PC・機器・ケーブル類
  • 仕事専用の携帯電話料金(使用割合で按分)
  • ホームオフィス費用(電気代・インターネット代の事業使用割合分)
  • 仕事に関連した書籍・オンラインコース
  • 職業賠償保険(Professional Indemnity Insurance)
  • 会計士・税理士費用

プライベートと混在する経費の注意: スマートフォンは仕事7割・私用3割なら経費は70%分のみ。適切な割合で申告する必要がある。

会計士を使うべきかどうか

年間売上がAUD 75,000以下で経費が少ない段階なら、ATOのMyTax(個人確定申告ツール)と自力BAS申告で対応できる人も多い。

ただし、売上がAUD 75,000を超えてきた、経費の判断が難しくなってきた、という段階では税理士(Tax Agent)への相談を検討する価値がある。オーストラリアの税理士費用は年間AUD 300〜800程度。節税効果が費用を上回ることが多い。

日本語対応の税理士を探す場合、「Japanese tax agent Sydney」等で検索すると見つかる。スーパーアニュエーションの受け取りについてはこちらも参考に。税務の全体像を把握しておくと、申告漏れや余分な税負担を防げる。

期限を守ることが最も重要

BASの提出期限を過ぎると、ATOからペナルティが課される。小規模事業者の場合、遅延1ユニットにつきAUD 313(2025年時点)のFixed Failure to Lodge Penaltyがある。最大5ユニットまで加算される可能性がある。

MyGovのアラート設定や、カレンダーに四半期末の期限を入れておくだけでリスクは大幅に減らせる。

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