イギリス移住・赴任前の手続き一覧——NI番号・NHS登録・銀行口座、到着後にやること全部まとめた
イギリス移住・赴任の手続きを時系列で解説。日本側の転出届からNI番号取得・NHS GP登録・銀行口座開設まで、到着後3ヶ月のチェックリストつき。
この記事の日本円換算は、1GBP≒191円で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(GBP)の金額を基準にしてください。
「あれ、何から手をつければいい?」——ロンドンに着いた初日、そう思う人は多い。
イギリスには、ドイツのAnmeldungのような住民登録制度がない。だからといって何もしなくていいわけではなく、NI番号(National Insurance Number)・NHS登録・銀行口座をそれぞれ別のルートで取得していく必要がある。依存関係が少ない分、並行して動けるが、逆に何から手をつけるか見えにくい。
この記事では、出国前から到着後3ヶ月の動きを、やること一覧として整理する。
出国前にやること(日本での手続き)
転出届
市区町村役所に転出届を提出する。出国予定日の14日前から手続き可能。住民票を抜くと、翌年1月1日以降の住民税は非課税になる。
年金・健康保険
会社員の場合は雇用主が社会保険の資格喪失手続きを行うが、国民年金・国民健康保険に自身で加入している場合は役所で脱退手続きが必要。
日本の年金とイギリスのNational Insurance(NI)に二重で加入しないよう、社会保障協定(日英社会保障協定、2021年発効)を確認しておく。
住民税
住民税は前年所得に課税される。転出年によっては、出国後も6月以降の住民税を納める義務が残る場合がある。
金融口座
海外転出後も日本の口座を維持したい場合は、出国前に各金融機関に問い合わせること。
ビザ取得
就労目的でイギリスに渡航する場合、ビザが必要。主な就労ビザは以下のとおり。
| ビザ種類 | 対象 | 主な条件 |
|---|---|---|
| Skilled Worker Visa | 雇用主からのオファーがある高度人材 | Tier 2スポンサーを持つ雇用主 + 年収 GBP 38,700以上(2024年〜) |
| Global Talent Visa | 学術・芸術・デジタル分野の卓越した人材 | 認定機関(Tech Nation等)の推薦 |
| Youth Mobility Scheme(YMS) | 18〜30歳の日本人 | 抽選制。年間上限あり |
| ICT(企業内転勤) | 多国籍企業の社内転籍 | 親会社・子会社間の異動 |
ビザ申請はUK Visas and Immigration(UKVI)のウェブサイトから。申請から取得まで3〜8週間を見ておく。
到着後:まず動くべき3つのこと
1. NI番号(National Insurance Number)の申請
NI番号は就労・税務申告・社会保障に必要な9桁のコード(例: QQ 12 34 56 A)。
申請方法(2022年〜オンライン申請に変更):
- GOV.UK(https://www.gov.uk/apply-national-insurance-number)からオンライン申請
- 申請フォームに氏名・住所・ビザ情報等を入力
- 承認されると郵送で番号が届く(2〜4週間程度)
就労開始前に取得が理想だが、番号なしでも就労を開始できる(後から提出も可)。ただし雇用主へ早めに提出が必要。
2. NHS GP(かかりつけ医)への登録
NHS(National Health Service)は、就労・学生ビザ保持者がIHS(Immigration Health Surcharge)を支払うことで利用できる(ビザ申請時に支払済みの場合が多い)。
GPへの登録方法:
- 居住地域のGP(General Practitioner / かかりつけ医)をNHS公式サイト(Find a GP)で検索
- 選んだGPクリニックに直接連絡または公式サイトから登録申請
- 登録が完了したらNHSカードが発行される(通院時に必要)
登録するGPは居住地域に制限がある。引越しのたびにGP変更が必要になることも。
3. 銀行口座の開設
詳細はイギリスの銀行口座ガイドを参照。到着直後に最も開設しやすいのはMonzoまたはStarling(ネオバンク)。
IHS(Immigration Health Surcharge)とは
就労・学生ビザ申請時に、医療利用料として事前に支払う仕組み。
- 金額: GBP 1,035/年(2025年現在)
- ビザ期間分を一括前払い(3年ビザなら GBP 3,105)
- IHSを支払うとNHSがほぼ無料で使える(処方薬・歯科・眼科は別途負担あり)
- 配偶者・子どもも同様に支払いが必要
Visitor Visa(短期訪問)では支払不可・NHS利用不可。
在留届の提出
在ロンドン日本国大使館または在英国日本人総領事館(エディンバラ等)への在留届は到着後3ヶ月以内に提出する。外務省のORRnetからオンライン手続き可能。
チェックリスト
出国前(日本での手続き)
- 転出届(市区町村役所)
- 年金・健康保険の脱退手続き
- 住民税の精算確認
- 金融口座の維持方針を確認
- ビザ申請・取得(UKVI)
- IHS支払済みかを確認(ビザ申請時に支払うため通常は済んでいる)
到着直後〜2週間
- NI番号のオンライン申請(GOV.UK)
- 居住地域のGPに登録申請
- 銀行口座の開設(Monzo / Starlingが最短)
到着後1〜2ヶ月
- NI番号が郵送で届く → 雇用主に提出
- NHSカード到着を確認
- 在留届(ORRnet)
- 携帯電話のSIMをUK番号に切り替え(EE / O2 / Three等)
生活セットアップ
- 最寄りのスーパー(Sainsbury's / Tesco / Waitrose)の把握
- 薬局(Boots / Lloyds Pharmacy等)の確認
- 公共交通のOysterカードまたはコンタクトレス決済の登録
- 住居の賃貸契約(Tenancy Agreement)の確認
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