マレーシア移住・赴任前の手続き一覧——転出届から現地到着後まで全部まとめた
マレーシア・KLへの移住・駐在が決まったら必要な日本側の手続き(転出届・年金・保険・住民税・マイナンバー)と、マレーシア到着後にやることを時系列で整理。Employment Pass・MM2H保持者向け。
マレーシアへの赴任や移住が決まったとき、現地の準備と同じくらい面倒なのが「日本側の手続き」です。
転出届、年金、健康保険、住民税、マイナンバー——。どれも役所や年金事務所に行く必要があり、手続きの順番やタイミングで損得が変わります。
この記事では、マレーシアに渡航する前に日本で済ませる手続きと、到着後にやることを時系列で整理しました。
まず確認:海外転出届を出すかどうか
全ての手続きの起点になるのが「海外転出届」です。これを出すかどうかで、年金・保険・住民税の扱いが全て変わります。
海外転出届とは
1年以上海外に住む予定がある場合、住民登録をしている市区町村に「海外転出届(転出届)」を提出します。届出をすると住民票が除票されます。
マレーシアへの赴任、現地採用、MM2Hビザでの移住は通常1年以上の滞在になるため、ほぼ全員が対象です。
届出の期間: 渡航予定日の14日前から当日まで。届出をしなかった場合、5万円以下の過料が科される可能性があります。
出すとどうなるか
| 項目 | 転出届を出した場合 | 出さなかった場合 |
|---|---|---|
| 住民票 | 除票される | 残ったまま |
| 国民健康保険 | 脱退(保険料の支払い停止) | 加入のまま(保険料が発生し続ける) |
| 国民年金 | 強制加入ではなくなる(任意加入を選べる) | 強制加入のまま |
| 住民税 | 翌年1月1日時点で除票済みなら翌年度は非課税 | 課税される |
| マイナンバーカード | 継続利用の手続きが必要 | そのまま利用可能 |
国民健康保険——転出届で自動的に脱退
海外転出届を出すと、国民健康保険の資格を喪失します。
脱退後の医療費
マレーシアは私立病院の質が高く、費用は日本の半額以下です。とはいえ無保険での入院は高額になるリスクがあります。
- 海外旅行保険(長期プラン): 渡航前に加入するのが確実
- マレーシアの民間保険: 外国人も加入可能な医療保険が充実。年間RM 2,000〜5,000程度から
- MM2Hビザ: 2021年以降の新規申請では民間医療保険への加入が必須条件になっています
国民年金——「任意加入」という選択肢
海外転出届を出すと、国民年金の強制加入ではなくなります。「任意加入」で海外にいる間も保険料を納め続けることができます。
手続きは転出届と同時に市区町村の窓口で可能。
日本とマレーシアの社会保障協定はない
日本はマレーシアと社会保障協定を結んでいません。マレーシアの社会保障制度(EPF: Employees Provident Fund)と日本の年金制度は独立しています。
マレーシアで就労する場合、EPFへの拠出(従業員11%+雇用主12〜13%)が義務ですが、外国人従業員のEPF拠出は義務ではなく任意です(雇用主との合意による)。日本の年金を維持したい場合は任意加入を検討してください。
住民税——「1月1日ルール」を理解する
住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある自治体から課税されます。
転出のタイミングが12月か1月かで、1年分の住民税(数十万円)の差が出ます。出国時点で未納分がある場合は「納税管理人」の届出が必要です。
マイナンバーカード——海外でも継続利用が可能に
2024年5月27日から、海外転出後もマイナンバーカードを継続利用できるようになりました。転出届と同時に「個人番号カード国外継続利用申請書」を提出してください。
在留届——マレーシア到着後の最初の手続き
マレーシアに3ヶ月以上滞在する場合、在マレーシア日本国大使館に「在留届」を提出する義務があります。外務省のORRネットからオンラインで提出可能。渡航の90日前から届出できます。
マレーシア到着後にやること
- 銀行口座の開設: Maybank・CIMB・Public Bankのいずれか。Employment Passがあれば開設可能
- SIMカードの契約: Maxis(Hotlink)・Celcom・Digiの3キャリア。空港のプリペイドSIMで開始し、後日ポストペイドに切り替えるのが定番
- 住居の契約: モントキアラ・KLCC・バンサー等。プール・ジム付きコンドが月RM 3,000〜(約10万円〜)から
- 運転免許の切り替え: マレーシアは車社会。日本の免許からマレーシアの免許への切り替えが可能(JPJで手続き)
出国前チェックリスト(時系列)
出国2〜3ヶ月前
- 納税管理人の届出(住民税の未納がある場合)
- 確定申告の準備(年の途中で退職する場合)
- 運転免許の期限前更新 + 国際運転免許証の取得(マレーシアで運転する場合)
- 銀行・クレジットカードの非居住者対応を確認
- 海外旅行保険の検討・加入(MM2Hの場合は民間医療保険が必須)
- 在留届のオンライン提出
出国14日前〜当日
- 海外転出届の提出(市区町村窓口)
- マイナンバーカードの国外継続利用申請(転出届と同時に)
- 国民年金の任意加入手続き(希望する場合)
- 国民健康保険証の返却
マレーシア到着後
手続きの詳細は自治体によって異なる場合があります。転出届を出す前に、住民登録をしている市区町村のウェブサイトや窓口で最新の情報を確認してください。