海外から日本への送金——現地銀行・Wise・それぞれのコストと着金スピードを比較
シンガポール・タイ・UAE等から日本への送金コストと着金スピードを比較。現地銀行T/TとWiseの使い分け、タイのFET証明書など国別の注意点も解説します。
海外で稼いだお金を日本に送る。一時帰国の費用、実家への仕送り、日本に残してきた資産の整理——理由は人それぞれだが、送金方向が逆になるだけで選択肢が変わってくる。
海外から日本への送金コスト
シンガポールから日本へ
シンガポールドル(SGD)から日本円への送金は、Wiseが対応している主要ルートのひとつ。
- Wise: SGD→JPY で送金額の0.5〜0.8%程度 + ミッドマーケットレート
- DBS/OCBC等の現地銀行: 送金手数料SGD20〜35程度 + 為替マークアップ1〜2% + 日本側の被仕向送金手数料(1,500〜3,000円)
3者合計でみると、現地銀行経由は1回あたりSGD50〜100相当のコストが発生することがある。Wiseのほうが安くなるケースが多い。
タイから日本へ
タイバーツ(THB)→日本円の送金は少し複雑。
- Wise: 対応あり。0.7〜1.2%程度
- Bangkok Bank / Kasikorn Bank等: 送金手数料THB200〜500 + 為替マークアップ + 被仕向手数料
注意点が1つ。タイから日本への大額送金(特に不動産購入資金として後で日本から引き出した資金を再送金するようなケース)では、タイ国内でのFET証明書(Foreign Exchange Transaction証明書)が不動産購入時に必要になることがある。送金時に証明書を取得する習慣をつけておくと後で役立つ。FET証明書は現地銀行で送金手続きをした場合に発行される。Wiseでは発行されないため、不動産購入予定があるならこのルートでの銀行送金も選択肢に入れること。
UAEから日本へ
ドバイ・アブダビから日本円への送金。UAEはディルハム(AED)が通貨で、ドルペッグ制のため為替は比較的安定している。
- Wise: AED→JPY で0.5〜0.8%程度
- Emirates NBD / ADCB等: 手数料AED25〜50 + 為替マークアップ
UAEから大額を日本に送る場合、日本側の税務当局へのCRS(共通報告基準)による自動報告に注意。UAE居住者としての所得を日本に移転する場合は、税務上の扱いを事前に確認しておくことをおすすめする。
着金スピードの比較
| 方法 | 着金スピード | 備考 |
|---|---|---|
| Wise(通常) | 1〜2営業日 | 初回は本人確認で遅れることがある |
| SWIFT銀行送金 | 2〜5営業日 | 中継銀行(コルレス銀行)の数による |
| 一部の現地銀行提携送金 | 当日〜翌日 | 対応銀行が限られる |
スピードを最優先するなら、現地銀行のSWIFT送金で日本の受取銀行への直接コルレス関係があるルートを調べる。ただし費用は高め。
被仕向送金手数料に注意
海外から日本の銀行口座に着金する場合、受取側の日本の銀行も手数料を取る。これを「被仕向送金手数料」と呼ぶ。
一般的に1,500〜3,000円程度。送金者側の手数料ばかりに目が行きがちだが、合計コストを計算するときはこちらも含めること。ゆうちょ銀行は被仕向送金手数料が2,500円程度と高め。住信SBIネット銀行・楽天銀行は比較的安い傾向がある(最新の手数料は各行の公式サイトで確認してほしい)。
大額送金と税務申告
海外から日本の口座に1回あたり1,000万円超を着金させる場合、国際収支統計のための報告義務が生じる(日本銀行への報告)。また、継続的な海外所得がある場合は日本の確定申告(居住者の場合)または非居住者の源泉徴収対象になるケースもある。
「お金を動かすだけだから問題ない」と思いがちだが、金額が大きくなるほど税務・法務の確認が必要になる。迷ったら税理士や在外公館に相談することをおすすめする。
まとめ: 送金方法の選び方
- 月5万〜50万円の日常的な送金: Wise が手数料面で有利
- 不動産購入予定でFET証明書が必要: タイの場合は現地銀行経由を検討
- 大額(100万円超)の一括送金: OFXも選択肢。担当者に相談するとよい
- 緊急(当日着金): 現地銀行のSWIFT送金(費用は高い)
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