海外送金はWiseが安い——銀行送金と比べて手数料が何倍違うのか、実際の数字で見る
海外送金の手数料の仕組みを解説。銀行送金との手数料比較を100万円送金で具体的に計算し、Wiseの仕組みとメリット・デメリットを整理します。
「Wiseが安い」という話は聞いたことがあっても、実際に銀行と比べてどれくらい差があるのかを数字で確認した人は少ない。感覚ではなく、計算で見てみる。
海外送金のコストは2種類ある
銀行の送金手数料は「送金手数料」だけと思いがちだが、実際には2種類のコストがかかっている。
1. 送金手数料(電信送金手数料) 1回あたりの固定費。三菱UFJ銀行の場合、ネットバンキングで3,500円、窓口だと7,500円。住信SBIネット銀行は750円〜2,500円(送金額・宛先による)。
2. 為替マークアップ こちらのほうが実は大きい。銀行は「ミッドマーケットレート(市場の中間レート)」より不利なレートを適用し、その差額を利益にしている。この差は通常1〜3%程度。
たとえば1ドル=150円がミッドマーケットレートのとき、銀行の適用レートは「1ドル=147〜148円」になることがある。この差を為替マークアップと呼ぶ。
100万円送金した場合の実際のコスト比較
シミュレーション: 日本円100万円をシンガポールドル(SGD)に換えて送金する場合。
銀行送金(三菱UFJ銀行・ネットバンキング)
- 送金手数料: 3,500円
- 為替マークアップ: 1.5〜2%と仮定 → 15,000〜20,000円相当
- 合計コスト: 約18,500〜23,500円
Wise
- 送金手数料: 金額と通貨ペアによるが日本円→SGDで0.4〜0.7%前後
- 為替レート: ミッドマーケットレート(マークアップなし)
- 100万円送金の場合: 4,000〜7,000円程度
- 合計コスト: 約4,000〜7,000円
差額は15,000〜20,000円前後になる計算。毎月の生活費として送金しているなら、年間で18〜24万円の節約になる可能性がある。
→ 月1回送金を続けると5年でいくら差が出るか? 年間コストを積み上げ試算した記事で具体的な数字を確認できる。
→ Wiseで自分の送金額の手数料を試算する(登録不要・無料)
Wiseの仕組み
Wiseが安い理由は、実際に国際送金を発生させていないから。日本側のWise口座から引き落とした後、現地のWise口座から相手に支払うという構造で、国境をまたぐ資金移動を最小化している。
このモデルのため、着金スピードも速い。多くの場合24時間以内、速ければ数分で着金する(ただし初回は本人確認などで時間がかかることがある)。
Wiseを使うには
- Wiseでアカウント作成
- 本人確認書類(パスポートまたはマイナンバーカード)を提出
- 送金先口座を登録
- 日本の銀行口座からWiseに入金 → 送金実行
初回の本人確認に1〜3営業日かかるのが一般的。余裕を持って登録しておくことをおすすめする。
Wiseが使えないケース
万能ではない。以下のような場面では銀行送金や別のサービスを検討する。
- 不動産購入など超大額の送金: Wiseには1回あたりの送金上限がある(通貨・プランによるが100万ドル前後)。不動産購入規模の送金はOFXや銀行T/Tも比較する
- Wiseが対応していない国・通貨: 送金先によっては使えない。公式サイトで対応通貨を確認すること
- 即日着金が必要な緊急時: SWIFT経由の銀行送金のほうが確実なケースもある
Wise以外の選択肢
| サービス | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Revolut | アプリの使いやすさが高い。月間一定額までは無料 | 少額送金・日常的なマルチカレンシー管理 |
| OFX | 大額送金に強い。専門担当者が対応 | 1回数百万〜数千万円の大額送金 |
| 住信SBIネット銀行 | 日本の銀行の中では安め | 銀行口座からの信頼性重視 |
| SBI Remit | フィリピン・ベトナム等への送金に強い | 特定国向けの専用送金 |
「どこが一番安いか」は送金先国・金額・送金頻度によって変わる。少額・高頻度ならWise、大額・低頻度ならOFXか銀行T/Tが競争力を持つことが多い。各サービスの公式サイトで実際の金額を入力して比較するのが確実。
送金記録は必ず残す
税務上の注意点として、一定金額以上の海外送金は外為法の申告義務が生じる(現在は3,000万円超が対象)。また海外口座への大額送金はCRS(共通報告基準)により各国税務当局に自動報告される仕組みになっている。後で困らないよう、送金記録は保管しておく。
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