香港移住・赴任前の手続き一覧——就労ビザからHKID・MPFまで到着後90日のロードマップ
香港赴任・移住時の手続きを時系列で解説。日本側の転出届から、就労ビザ(GEP)取得・HKID申請・MPF加入・銀行口座開設まで一覧にまとめた。
この記事の日本円換算は、1HKD≒20円で計算しています(2026年3月時点)。為替は変動するので、現地通貨(HKD)の金額を基準にしてください。
香港赴任が決まって最初に気づくこと——「手続きが多い、かつ締め切りが細かい」。
GEP(一般就業政策)ビザ取得に4〜8週間、入境後180日以内にHKID(香港身份証)取得、雇用開始後60日以内にMPF(強制退職積立制度)加入——。それぞれの期限を逃すと罰則が発生するケースもある。
日本側での手続きと、香港到着後のロードマップを時系列で整理する。
出国前(日本側の手続き)
転出届
住民票のある市区町村役所へ。海外転出届を提出すると住民票が抹消される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 住民登録のある市区町村役所 |
| 提出期限 | 出国14日前〜当日 |
| 効果 | 住民票抹消。国民健康保険・国民年金の強制加入解除 |
住民税注意: 1月1日時点で住民票があれば、その年度の住民税が課税される。年をまたぐ赴任はタイミングを確認。
国民年金・国民健康保険
転出届と同時に強制加入が解除。会社員で健保組合加入中の場合は退職・転出タイミングで自動喪失。海外赴任中の継続加入(健康保険の海外療養費制度)については会社に確認。
就労ビザの取得(GEP)
香港で就労するには「一般就業政策(GEP: General Employment Policy)」ビザが必要。会社がスポンサーとなり、入境事務処(入境事務局)へ申請する。
申請から取得まで: 通常4〜8週間。書類に不備があるとさらに時間がかかる。赴任決定後、すぐに会社の担当部門に動いてもらう。
詳細は香港のビザ・在留資格ガイドを参照。
到着後 10 日以内
HSBC・恒生銀行への問い合わせ(任意)
口座開設はHKID取得後に本格的に動くが、銀行によっては事前予約が必要。HKIDが手元にある想定で、早めに予約を入れておくと動きがスムーズ。
到着後 60 日以内
MPF(強制退職積立制度)への加入
MPF(強制性公積金: Mandatory Provident Fund)は、月収の5%を雇用主・従業員それぞれが拠出する退職積立制度。
加入期限: 雇用開始後 60 日以内(試用期間中も含む)
雇用主が登録済みのMPFプロバイダーを通じて手続きを行う。従業員は書類にサインするだけのケースが多い。
| 拠出者 | 拠出率 | 上限(月額) |
|---|---|---|
| 従業員 | 月収の 5% | HKD 1,500 |
| 雇用主 | 月収の 5% | HKD 1,500 |
月収 HKD 7,100 未満の従業員は拠出が免除されるが、雇用主側の拠出義務は残る。
詳細は香港の生活費・MPFガイドを参照。
到着後 180 日以内
HKID(香港身份証)の申請
HKIDは香港での生活の根幹。銀行口座・携帯電話・各種行政サービスで必要になる。
申請期限: 入境後 180 日以内(就労ビザ保有者)
申請窓口: 入境事務局(入境事務處)の各分区弁事処(District Office)。オンライン予約が必要。
| 必要書類 | 備考 |
|---|---|
| パスポート(原本) | 入境スタンプ確認用 |
| 就労ビザ(入境許可証) | GEP等のビザが記されたもの |
| 申請書 | 窓口で記入 |
| 証明写真 | — |
| 手数料 | HKD 190(約3,800円)※ |
※ 2024年度時点。変更がある場合は入境事務局の公式サイトで確認。
HKIDの受け取りは申請から約10日後。郵便(速達郵送)か窓口再来庁での受け取りを選べる。
在留届の提出
在香港日本国総領事館へオンラインで在留届を提出する。外務省「在留届電子届出システム(ORRnet)」から可能。
生活セットアップ
銀行口座の開設
HKIDと就業証明書(雇用契約書または在職証明書)があれば、主要銀行で口座を開設できる。
| 銀行 | 特徴 |
|---|---|
| HSBC(匯豐銀行) | 国際送金・英語対応が充実。法人口座も多い |
| 恒生銀行(Hang Seng Bank) | HSBCグループ傘下。地域密着型 |
| 中国銀行(香港)(BOC HK) | 中国本土との資金移動に強い |
外国人の銀行口座開設は以前より厳格化されている。書類を完備して予約を取るのがスムーズ。
オクトパスカード(八達通): 口座開設前でも空港・駅で購入できる。MTR・バス・コンビニ払いに対応。到着直後に購入しておくと便利。
携帯電話の契約
HKIDがあれば主要キャリア(3 HK・SmarTone・CMHK・HKT)で月額プランが契約できる。月額 HKD 88〜300(約1,760〜6,000円)程度。
到着直後はSIMカードの一時利用が便利。空港内の各キャリアカウンターで購入できる。
時系列チェックリスト
出国前(日本)
- 転出届を市区町村役所に提出
- 国民年金・健保の脱退 or 継続を確認
- 住民税の支払い状況を確認(1月1日ルール)
- GEP就労ビザを取得(会社が申請。4〜8週間かかる)
- 渡航保険・海外医療保険の加入
- 銀行口座のオンラインバンキング設定(海外から日本口座を操作できるか確認)
到着後 60 日以内
- MPF加入(雇用開始後60日以内。会社が手続き)
- オクトパスカードを購入(空港で即日可)
- 一時SIMカードを購入(通信を確保)
到着後 180 日以内
- HKID申請(入境後180日以内。早めに動く)
- 在留届を在香港日本国総領事館に提出(ORRnet)
- 銀行口座を開設(HKID取得後すぐ)
- 携帯電話を正式契約(HKIDが必要)
生活セットアップ
- 賃貸契約(香港の住居・賃貸ガイド参照)
- FPS(香港即時決済システム)の設定
- 子どもがいる場合: 学校・教育環境の確認(香港の日本人学校・インター校ガイド)
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