インドネシア移住・赴任前の手続き一覧——KITAS・NPWP・銀行口座、ジャカルタ着任後のロードマップ
インドネシア(ジャカルタ)への移住・赴任に必要な手続きを時系列で整理。日本側の転出届から、就労ビザ(VITAS)・KITAS取得、NPWP(税務番号)申請、BCA・Bank Mandiri口座開設まで解説。
この記事の日本円換算は、1USD≒155円(100IDR≒1円)で計算しています(2026年4月時点)。為替は変動するので、現地通貨(IDR)の金額を基準にしてください。
「ビザは会社がやってくれると思っていたら、自分でも動かないといけないことがあって焦った」——インドネシア赴任経験者からよく聞く話だ。
KITASの取得は確かに雇用主がメインで進めてくれるが、書類の準備・署名・写真撮影など本人の対応が必要な場面がいくつかある。何も知らないまま受け身でいると、着任後の手続きが詰まる。
この記事では、渡航前から生活セットアップまでの全体像を時系列で整理した。
インドネシアの就労ビザとKITASの仕組み
外国人がインドネシアで働くには、就労ビザ(VITAS)を取得してからKITAS(就労一時滞在許可証)に切り替える流れが基本になる。
RPTKA(外国人雇用計画)
外国人を雇用するインドネシア企業は、先にRPTKA(Rencana Penggunaan Tenaga Kerja Asing)という外国人雇用計画をインドネシア労働省に提出・承認を受ける必要がある。これは雇用主側の手続き。
VITAS(就労ビザ)
RPTKAの承認後、雇用主の申請に基づいてインドネシア外務省がVITASを発給する。在日インドネシア大使館または総領事館でのビザ取得は、VITASを使わず「ビザオンアライバル → KITAS切り替え」のパターンもあるが、詳細は雇用主や現地の移民局に確認が必要。
KITAS(就労一時滞在許可証)
インドネシア入国後に移民局(Imigrasi)で申請・取得する許可証。就労者向けのKITASは有効期間1〜2年(更新可能)。KITAS取得後は、KITASに記載されたスポンサー企業の管轄範囲内でのみ就労が認められる。
KITAS取得後にできること:
- 銀行口座の開設
- NPWP(税務番号)の申請
- BPJS Kesehatan(公的健康保険)への加入
日本側の手続き
海外転出届
渡航14日前から当日までに、住民登録をしている市区町村の窓口で提出。
- 国民健康保険: 資格喪失
- 国民年金: 強制加入から任意加入へ
- 住民税: 翌年1月1日時点の住所地が課税基準
住民税の1月1日ルールは見落とされやすい。年間数十万円の差が出ることがあるため、渡航タイミングを選べる場合は意識しておく。
国民年金の任意加入
転出届と同時に手続き可能。日本とインドネシアは社会保障協定を締結していないため、インドネシア側の社会保障制度(BPJS Ketenagakerjaan等)との通算はできない。
マイナンバーカード
2024年5月以降、海外転出後もマイナンバーカードの継続利用申請ができる。転出届と同時に申請する。
在留届
インドネシアに3ヶ月以上滞在する場合、在インドネシア日本国大使館(ジャカルタ)または管轄の総領事館(スラバヤ・バリ・メダン等)に在留届を提出。外務省ORRネットからオンラインで提出可能。
ジャカルタ到着後の手続き
KITAS取得
会社の人事・ビザ担当者と連携して移民局での手続きを進める。KITAS取得には通常1〜3ヶ月かかることがある(申請状況・管轄の移民局による)。
取得後はKITASを常時携帯する(法律上の義務)。
NPWP(税務番号)
KITASを持つ就労外国人は、NPWP(Nomor Pokok Wajib Pajak)の取得が義務付けられている。最寄りの税務署(KPP: Kantor Pelayanan Pajak)またはオンライン(e-Registration)で申請。
NPWP取得後は、インドネシアの個人所得税(PPh 21)の申告・納付義務が生じる。
銀行口座開設
KITASとNPWPが揃えば、インドネシアの主要銀行で口座開設ができる。
インドネシアの銀行口座開設ガイドにBCA・Bank Mandiri・BNIの比較と手続きをまとめた。
BPJS Kesehatan(公的健康保険)への加入
外国人就労者も加入が義務付けられている。雇用主経由で自動加入になることが多いが、加入状況は入社直後に確認しておく。
インドネシアの医療・保険ガイドでBPJS Kesehatanと民間保険の詳細を解説している。
SIMカード
ジャカルタの空港(ソエカルノ・ハッタ国際空港)でTelkomsel(Simpati)やXL Axiataのプリペイドカードを購入できる。外国人のSIM登録にはパスポートが必要(2018年以降、NIK/パスポート番号でのSIM登録が義務化)。
時系列チェックリスト
出国2〜3ヶ月前
- 雇用主側のRPTKA・VITAS手続き状況の確認
- 住民税の未納確認と納税管理人の届出(未納がある場合)
- 日本の銀行・クレジットカードの海外利用設定確認
- 海外長期滞在用の民間医療保険の検討(BPJS Kesehatan加入前のカバー)
- 在留届のオンライン提出(ORRネット)
出国14日前〜当日
- 海外転出届の提出(市区町村窓口)
- マイナンバーカードの国外継続利用申請(転出届と同時に)
- 国民年金の任意加入or脱退手続き
- 国民健康保険証の返却
ジャカルタ到着後(1〜3ヶ月以内)
- 在留届の提出(未提出の場合)
- SIMカードの購入(空港で当日可)
- KITASの取得(会社の担当者と連携)
- NPWP(税務番号)の申請(KITASがあれば可)
- 銀行口座の開設(KITASとNPWP取得後)
- BPJS Kesehatanへの加入確認(雇用主経由)
生活セットアップ(3〜6ヶ月)
手続きの詳細は制度変更によって変わる場合があります。雇用主の人事部および公式機関で最新情報を確認してください。
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