マレーシアのビザ・在留資格ガイド——MM2H・就労ビザ・DE Rantauの最新条件
マレーシアのMM2Hビザ(2024年最新要件)、DE Rantauデジタルノマドビザ、就労ビザ(Employment Pass)の取得フローを解説。申請のポイントとエージェント利用の判断基準も。
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「マレーシアに移住するならMM2H」という話を聞いたことがある人も多いかもしれない。
ただし、2021年以降にMM2Hの条件が大幅に引き上げられ、さらに2023〜2024年にも見直しがあった。「昔聞いた要件」でそのまま準備すると、条件が全然違うということになりかねない。この記事では2024年時点の最新情報をもとに、マレーシアの主要な在留資格を整理する。
マレーシアのビザ種類一覧
| ビザ | 対象 | 概要 |
|---|---|---|
| MM2H(Malaysia My Second Home) | 長期滞在・移住希望者 | 10年マルチプル、要高額預金・月収証明 |
| DE Rantau | デジタルノマド・リモートワーカー | 3〜12ヶ月、マレーシア国外収入が前提 |
| Employment Pass(EP) | 就労目的 | Category 1〜3、雇用主が申請 |
| Residence Pass-Talent(RP-T) | 高技能専門職 | 10年間有効、一定の条件あり |
| Silver Hair Programme | 50歳以上のリタイア層 | 改訂で要件変更あり、最新情報は要確認 |
| Long-Term Social Visit Pass(LTSVP) | 配偶者・家族 | EPまたはMM2H保持者の家族向け |
MM2H(Malaysia My Second Home)——条件が大幅に厳格化
MM2Hはマレーシア政府が運営する長期在留ビザで、10年間(更新可)のマルチプル入国が認められる。就労はできないが、条件を満たせば自動車の購入・不動産の保有が優遇されるなどのメリットがある。
2024年時点の要件(最新版)
2021年に大幅改定、2023〜2024年にも調整があり、現在の主な要件は以下のとおり。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 最低固定預金 | MYR 1,500,000(約4,950万円)をマレーシアの銀行に預け入れ |
| 最低月収証明 | MYR 40,000(約132万円/月)以上の海外収入証明 |
| 健康診断 | マレーシアの指定医療機関での受診 |
| 健康保険 | マレーシア国内でカバーされる保険への加入 |
| 年間滞在義務 | 年間90日以上マレーシアに滞在すること |
| 申請窓口 | MM2H Centre(マレーシア観光芸術文化省管轄) |
2021年以前の要件(預金MYR 150,000〜300,000程度)と比較すると、最低預金額が10倍規模になっている。富裕層向けのビザとして再設計されたと理解する方がよい。
MM2Hの実態——どんな人が使っているか
改定後のMM2Hは、一定以上の資産・収入がある層を対象にした設計。定年退職後に資産を持ってマレーシアに移住する層や、海外法人からの高収入がある人が主な申請者。
「月収MYR 40,000」という要件は、多くの現役世代には難易度が高い。ただし、退職後の年金・金融資産の運用収益・不動産収入の合算で条件を満たすケースもある。
エージェント利用の是非
MM2Hの申請はエージェント(代行業者)を通すことが認められている。書類準備の代行・アポ取り・申請追跡をしてくれる一方、手数料がかかる(MYR 5,000〜30,000程度)。
エージェントを使う場合のポイント:
- マレーシア政府に登録された正規エージェントかを確認(MM2H Centre Websiteに一覧あり)
- 料金の内訳を事前に書面で確認する
- 申請件数・実績の多いエージェントを選ぶ
DE Rantau——デジタルノマド向けの新しい選択肢
2022年10月にマレーシアが導入したデジタルノマド向けのビザ。マレーシア国外の企業・クライアントからのリモート収入がある外国人を対象にしている。
要件
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 月収 | USD 24,000以上/年(約USD 2,000/月以上の海外収入) |
| 就業形態 | マレーシア国外の企業・クライアントとの契約 |
| 健康保険 | マレーシア国内で有効な保険 |
| 有効期間 | 3ヶ月〜12ヶ月(更新可) |
| 配偶者・子の帯同 | 可能(DE Rantau Dependant Pass) |
申請方法
オンライン申請システム(MYXpats Centre経由)から申請できる。申請費用: USD 1,000(約155,000円、本人のみ)。
DE Rantauの位置づけ
就労ビザではないため、マレーシアの会社に雇用されることはできない。あくまで「マレーシアに居ながら海外向けの仕事をする人」向けの制度。フリーランサー・リモートワーカー・起業家向け。
就労ビザ(Employment Pass)——マレーシアの会社に就職する場合
マレーシアの会社・現地法人に勤める場合はEmployment Pass(EP)が必要。
カテゴリと月給基準(2024年時点)
| カテゴリ | 月給基準 | 有効期間 |
|---|---|---|
| Category 1 | MYR 10,000以上 | 最大2年 |
| Category 2 | MYR 5,000〜9,999 | 最大2年 |
| Category 3 | MYR 3,000〜4,999 | 最大1年(更新2回まで) |
申請フロー
- 雇用主がExpatsプラットフォーム(ESD: Expatriate Services Division)からオンライン申請
- 必要書類: パスポートコピー、学歴証明書(英語翻訳)、職務経歴書、雇用契約書
- 審査期間: 通常2〜4週間(ケースによって追加書類の要求あり)
- 承認後、マレーシア入国・パスポートにスタンプ押印 or ViZAレター発行
- 入国後90日以内に身分証(MyExpat Card相当)を受け取る
Residence Pass-Talent(RP-T)
EP保持者が5年以上就労し、一定の所得・スキル要件を満たした場合に申請できる10年間有効の在留資格。雇用主が変わっても在留資格が変わらないため、転職が柔軟にできる。
Silver Hair Programme(リタイアメントビザ)
50歳以上のリタイア層向けの長期在留プログラム。要件・運用がMM2Hとは別建て。
2024年時点での主な要件(要件は変更されている可能性があるため、申請前に最新情報を確認すること):
- 50歳以上
- 月収MYR 10,000以上の証明
- タイムバンク(タイムディポジット)への預け入れ
- 健康保険への加入
MM2Hに比べて条件が緩やかだが、詳細は移民局の公式サイトか在マレーシア日本国大使館で最新情報を確認することを推奨する。
家族帯同(LTSVP / Dependant Pass)
MM2H・EP・DE Rantauを保有する本人の配偶者・子ども(21歳未満)は家族帯同ビザ(Dependant Pass または Long-Term Social Visit Pass)を申請できる。
配偶者が就労したい場合は、Dependant Passに加えて個別の就労許可(Employment Pass)が必要になるケースがある。
ビザ取得後の生活全般についてはマレーシア(KL)の生活費ガイドで、銀行口座開設についてはマレーシアの銀行口座開設ガイドで確認できる。移住準備全体のチェックリストはマレーシア移住前チェックリストに整理している。
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