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手続き・届出

シンガポール移住・赴任前の手続き一覧——転出届から現地到着後まで全部まとめた

シンガポールへの移住・駐在が決まったら必要な日本側の手続き(転出届・年金・保険・住民税・マイナンバー)と、シンガポール到着後にやることを時系列で整理。EP・S Pass・DP保持者向け。

2026-03-28
海外転出届年金健康保険住民税マイナンバー在留届EP

シンガポールへの赴任や移住が決まったとき、現地の準備と同じくらい面倒なのが「日本側の手続き」です。

転出届、年金、健康保険、住民税、マイナンバー——。どれも役所や年金事務所に行く必要があり、手続きの順番やタイミングで損得が変わります。

この記事では、シンガポールに渡航する前に日本で済ませる手続きと、到着後にやることを時系列で整理しました。

まず確認:海外転出届を出すかどうか

全ての手続きの起点になるのが「海外転出届」です。これを出すかどうかで、年金・保険・住民税の扱いが全て変わります。

海外転出届とは

1年以上海外に住む予定がある場合、住民登録をしている市区町村に「海外転出届(転出届)」を提出します。届出をすると住民票が除票され、その自治体の住民ではなくなります。

シンガポールへの赴任や現地採用は通常1年以上の滞在になるため、ほぼ全員が対象です。

届出の期間: 渡航予定日の14日前から当日まで。届出をしなかった場合、住民基本台帳法により5万円以下の過料が科される可能性があります。

届出先: 住民登録をしている市区町村の窓口。郵送で受け付けている自治体もあります。

出すとどうなるか

項目転出届を出した場合出さなかった場合
住民票除票される残ったまま
国民健康保険脱退(保険料の支払い停止)加入のまま(保険料が発生し続ける)
国民年金強制加入ではなくなる(任意加入を選べる)強制加入のまま
住民税翌年1月1日時点で除票済みなら翌年度は非課税課税される
マイナンバーカード継続利用の手続きが必要そのまま利用可能
国内の選挙権なくなる(在外選挙人名簿への登録が必要)あり

シンガポール赴任の場合、会社の人事部門が手続きの段取りを案内してくれるケースが多いです。現地採用の場合は、自分で全て進める必要があります。

国民健康保険——転出届で自動的に脱退

海外転出届を出すと、国民健康保険の資格を喪失します。手続きは転出届と同時に行われるケースが多く、別途の届出は不要な自治体がほとんどです。

脱退後の医療費

シンガポールは医療費が高いです。風邪でクリニックにかかるだけでSGD 100〜200(約12,000〜25,000円)。入院となれば1日SGD 1,000以上も珍しくありません。日本語で受診できるクリニックの一覧はKAIスポットで確認できます。

保険の選択肢は以下の3つです。

  • 海外旅行保険(長期プラン): 渡航前に加入。日本語サポートとキャッシュレス対応の病院があるプランが便利
  • シンガポールの民間保険: EP/S Pass保持者はローカルの保険に加入可能。会社が保険を手配するケースも多い
  • クレジットカード付帯保険: 補償期間が90日程度のものが多く、長期滞在には不十分

駐在員は会社が保険を用意するのが一般的です。現地採用の場合は、Employment Passの取得条件に保険加入は含まれていませんが、自分で加入しておかないとリスクが大きいです。

会社員(社会保険加入者)の場合

日本の会社から駐在で赴任する場合、会社の健康保険(社会保険)がそのまま継続するのが一般的です。国民健康保険とは扱いが異なるので、会社の人事部門に確認してください。

国民年金——「任意加入」という選択肢

海外転出届を出すと、国民年金の第1号被保険者(強制加入)ではなくなります。保険料を払う義務はなくなりますが、その分、将来の年金受給額が減ります。

任意加入制度

海外に住む20歳以上65歳未満の日本国籍の方は、「任意加入」を選ぶことができます。任意加入すれば、海外にいる期間も保険料を納め続けるため、年金の受給額が減りません。

手続き先: 住民登録をしている市区町村の窓口(転出届と同時に手続き可能)

必要なもの:

  • 国民年金被保険者関係届書(申出書)
  • 基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書、年金手帳等)
  • 本人確認書類

保険料の支払い方法: 日本国内の銀行口座からの引き落とし、またはクレジットカード払い。

日本とシンガポールの社会保障協定はない

日本は約25カ国と社会保障協定を結んでいますが、シンガポールとは締結されていません。そのため、シンガポールの社会保障制度(CPF)と日本の年金制度は完全に独立しています。

EP保持者はシンガポールのCPF(Central Provident Fund)への拠出義務はありません。つまり、シンガポール側で年金が積み立てられることはなく、日本の年金を任意加入で維持するかどうかは自分で判断する必要があります。

会社員(厚生年金加入者)の場合

厚生年金に加入している会社員が海外駐在する場合、通常は厚生年金がそのまま継続します。個人での手続きは不要です。

住民税——「1月1日ルール」を理解する

住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある自治体から、前年の所得に対して課税されます。

具体例

  • 2026年3月にシンガポールへ転出 → 2026年1月1日時点では日本に住民票がある → 2026年度の住民税(2025年の所得に対して課税)は支払い義務あり
  • 2026年12月31日までに転出完了 → 2027年1月1日時点で住民票なし → 2027年度の住民税は非課税

つまり、転出のタイミングが12月か1月かで、1年分の住民税(数十万円)の差が出ます。

納税管理人の届出

出国時点で未納の住民税がある場合、「納税管理人」を届け出る必要があります。納税管理人は、本人の代わりに日本国内で税金の通知を受け取り、納付を代行する人です。通常は親族を指定します。

届出先は市区町村の税務課。届出をしないまま出国すると、納税通知が届かず、延滞金が発生する可能性があります。

マイナンバーカード——海外でも継続利用が可能に

2024年5月27日から、海外転出後もマイナンバーカードを継続して利用できるようになりました。以前は転出と同時に失効していたため、大きな変更です。

転出前に必要な手続き

海外転出届を出す際に、窓口で「個人番号カード国外継続利用申請書」を提出します。この手続きをすると、海外でもマイナンバーカードが有効なまま維持されます。

手続き期限: 国外転出予定日の前日まで

継続利用でできること

  • マイナポータルへのアクセス
  • 在外公館でのパスポート申請(オンライン)
  • 将来的な行政手続きのオンライン化への対応

手続きをしなかった場合はカードが失効します。転出届と同時に済ませてください。

在留届——シンガポール到着後の最初の手続き

シンガポールに3ヶ月以上滞在する場合、在シンガポール日本国大使館に「在留届」を提出する義務があります(旅券法第16条)。

オンラインで完結する

外務省のORRネット(オンライン在留届)から提出できます。渡航の90日前から届出が可能なので、出国前に済ませておくこともできます。

在留届を出すメリット

  • 緊急時の安否確認: シンガポールは治安が良いですが、自然災害やパンデミック等の際に大使館から情報が届きます
  • パスポートの更新: 在シンガポール日本国大使館でのパスポート申請には在留届の登録が前提
  • 各種証明書の発行: 在留証明、署名証明等の領事サービスを受ける際に必要

確定申告——出国前に済ませるか、納税管理人を立てる

出国する年に日本国内で所得がある場合、確定申告が必要になるケースがあります。

会社員の場合

年の途中で退職してシンガポールに移る場合、会社で年末調整ができません。出国前に「準確定申告」を行うか、納税管理人を選任して申告を委任します。

非居住者になった後の日本の所得

非居住者になった後も、日本国内に源泉がある所得(不動産収入等)がある場合は、引き続き日本での確定申告が必要です。この場合、納税管理人の選任は必須です。

シンガポール到着後にやること

日本側の手続きが終わったら、シンガポールでの生活基盤を整えます。

  • 銀行口座の開設: DBS・OCBC・UOBのいずれか。EPがあればオンラインで開設可能
  • SIMカードの契約: Singtel・StarHub・M1の3キャリア。旅行用のツーリストSIMは到着時に空港で購入可能
  • 住居の契約: コンドミニアムかHDBか。エリアと予算で選択肢が決まる
  • 在留届の提出: 出国前に済んでいない場合はORRネットで速やかに

出国前チェックリスト(時系列)

出国2〜3ヶ月前

  • 納税管理人の届出(住民税の未納がある場合)
  • 確定申告の準備(年の途中で退職する場合)
  • 運転免許の期限前更新(有効期限がシンガポール滞在中に切れる場合)
  • 銀行・クレジットカードの非居住者対応を確認
  • 海外旅行保険の検討・加入
  • 在留届のオンライン提出(ORRネットで渡航90日前から可能)

出国14日前〜当日

  • 海外転出届の提出(市区町村窓口)
  • マイナンバーカードの国外継続利用申請(転出届と同時に)
  • 国民年金の任意加入手続き(希望する場合、転出届と同時に)
  • 国民健康保険証の返却(転出届と同時に処理される自治体が多い)

シンガポール到着後


手続きの詳細は自治体によって異なる場合があります。転出届を出す前に、住民登録をしている市区町村のウェブサイトや窓口で最新の情報を確認してください。


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各カテゴリの詳細は以下の記事を参照してください。

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